「ポツダム宣言」を読んだことがありますか?

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制作 : 共同通信社出版センター 
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784764106819

作品紹介・あらすじ

ポツダム宣言、終戦の詔勅(玉音放送)、降伏文書、カイロ宣言。戦後70年日本の戦後は全部この中にあった!学校では習わなかった原文を自分で読んでみよう!

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で買って欲しいと申請出して、多分オレが最初に借りた。

    貴重な史料。
    ポツダム宣言の英語の原文と、その日本語訳、それに、当時の外務省が訳した、文語体の日本語訳とその現代語訳。

    13.
    we call upon the government of japan to proclaim now the unconditional surrender of all the japanese armed forces, and to provide proper and adequate assurances of their good faith in such action. the alternative for japan is prompt and utter destruction.

    特に
    the alternative for japan is prompt and utter destruction.
    の部分の脅しが効いてる。

    読んでて、だんだん腹が立ってきた。
    ヤンキーの奴ら・・・・。
    正義ぶったことばっか言いやがって。
    原爆を落としたという、人類に対する罪は絶対に忘れねえからな。

    特に、元KKKだったトルーマンの野郎。
    人種差別じゃねえか。
    いつの日か、オマエらが犯した罪を償わせてやる。
    ・・・と、思わず、そういう気分になった。

    それから、英語で書かれた降伏文書、その日本語訳。
    カイロ宣言も。

    玉音放送で知られる「終戦の詔書」は、責任を負うべき者の姿がどこにも見えない独特の文章の構成におどろいた。
    これが丸山真男のいう「無責任の体系」であり、ロラン・バルトの言う「空虚な中心」なのか・・・・。

    ヒトラーもムッソリーニも死んだというのに。
    A級戦犯だった岸信介といい笹川良一、児玉誉士夫、正力松太郎・・・・。
    どう考えても勝ち目のない戦争に突っ込んで、多くの日本人をムダ死にさせておきながら、何事も無かったようにノウノウと生き延びた奴ら・・・・・・。

    世論を扇動したクソみたいなマスメディアは、まるで現在の日本のマスメディアそのものじゃないか。
    そういうクソみたいなマスメディアにあっさり騙されて、アメリカとの経済力の圧倒的な差を直視しようとせず、非現実的な精神論だけで玉砕しようとした多数派である一般市民!!!!
    これも、まるで現在の安倍バカボンボン政権を支持する国民の多数派とソックリ。

    安倍は明らかに大企業や経営者、大株主など、極端な格差社会の「勝ち組」のために経済政策と防衛戦略を行っているというのに、国民の多数派である「負け組」がそれを支持する、という、この構図は一体なんなんだよ?
    彼らの心理はいったいどうなってるんだろう?

    空気が社会を支配して、責任の所在がよく分からないし、誰も責任を取らないままウヤムヤに終わらせるという「無責任の体系」が、そのまま自公独裁政権に受け継がれてる。

    アメリカのような経済大国を相手にして、そりゃーボロ負けするよね。
    それから、どうして、これだけ口語訳、現代語訳してないの?どういうことなの?

  • いつか読んでみたいと思っていた本。
    図書館で借りれるようになったので、早速読んでみました。
    よかったです。

    ポツダム宣言
    降伏宣言
    カイロ文書
    玉音放送
    「ポツダム宣言」受諾までの外務省電信資料
    等。

    メインはポツダム宣言の英文そのままと、「できるだけ意訳しないことを心掛けた」シンプルな日本語訳、なんですが、
    ほかに「ポツダム宣言ってなんなの?」「なんで中国が入ってる?」「どんなことが書いてあって、日本は、連合軍はどんな風に受け入れたの?」かが、簡潔に書かれています。

    個人的に一番心にキたのは、
    ポツダム宣言受諾までの外務省電信資料です。
    ただ電信資料が載っているんですが、これを読んでいると当時の外交官がどれだけ頑張ってたかがわかります。
    胸にせまるものがありました。
    (玉音放送も、全文きちんと読むことはないと思ってたので、貴重な体験(?)でした。←読んでてmちょっと腹立ちましたけど。)

    シンプルで読みやすく、
    読み終わるのにそれほど時間がかからない良書なので
    ぜひ手にとってみることをお勧めします。

  • 戦後70年の節目、それにちなむ出版物や映画・ドラマの制作・放送なども多かった夏だった。いくつか見聞きしたものがあるが、その中の1つとして、1967年制作の映画「日本のいちばん長い日」を見た(*半藤一利のノンフィクションが原作。この夏、リメイクもされた)。ポツダム宣言受諾を決め、それを天皇が国民に知らせる「玉音放送」があるまでの話だ。
    これを見ていて、始めてしまったことを終わらせることの大変さを思うとともに、ポツダム宣言を受諾することの意味についても考えさせられた。
    一方で、安倍首相の「ポツダム宣言は読んだことがない」「原爆が落とされた後に叩き付けられた」といった発言がニュースを賑わせた。本書はこれを受けての刊行なのだと思うのだが、相当評判を呼んだようだ。よい機会だから読んでみようと手に取ってみた。

    現代史は実際の重要さとは裏腹に、受験を前にしての授業では駆け足になりがちなところでもある。ご多分に漏れず、自分も何となくこういうもの、というイメージしかなかった。

    本書はごくごく薄い。
    「ポツダム宣言」に関する基礎知識。
    「ポツダム宣言」の英語版、文語体の公式訳、口語訳。
    関連文書として、「降伏文書」「カイロ宣言」(ともに英語版、文語訳、口語訳)。
    資料として、「終戦の詔書(玉音放送)」、ソ連の宣戦布告文、受諾までの外務省電信資料などである。

    「ポツダム宣言」は、ドイツの戦後処理を話し合う「ポツダム会談」中に、日本に対して出された宣言である。1945年7月26日、米英中による降伏勧告として公表された。日本はこれを「黙殺」、8月に入り、原爆の投下やソ連の参戦があり、最終的にはこれを受諾することを決定、玉音放送という流れになる。
    「ポツダム宣言」自体は13項からなる。降伏のための条件を述べたもので、
    ・日本軍隊の無条件降伏
    ・武装解除と復員
    ・領土の占領
    ・領土の縮小
    ・軍国主義の除去
    ・民主主義の確立
    ・平和産業の確保
    ・戦争犯罪人の処罰
    が主な条件となっている。

    英文自体は比較的平易な印象を受ける。政治用語ややや大仰な感じの形容詞が混じる部分もあるが、注釈がかなり親切についていて、辞書なしで読める作りになっている。
    当然と言えば当然だが、平易である一方で、誤解の余地なく、容赦なく、条件を提示している印象である。相当練られた文だったのだろう。
    降伏文書や玉音放送と併せて読むと、当時の雰囲気が感じられるようでもある。玉音放送もよく聞くのは「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び」の部分だが、全部分が収録されている。こちらもかなり推敲された印象を受ける。

    英文には公式訳が付くのだが、これはどのくらいの人が目にしたものなのだろうか? 一般の国民も読んでいたのか? 新聞等には載ったものなのか? むしろ英文よりも難解に感じるほどだが、当時の人にはそれほど難しいものではなかったのか? 国民に向けた訳というよりも、外務省に公式文書として保存するための訳だったのか?
    玉音放送も、音だけ聞いてきちんとすべて脳内で漢字変換できるかといえば、難しいように思う。

    ポツダム宣言がどのような意味を持っていたのか、解釈は一通りではないだろうが、まずはポツダム宣言が何を言っていたのかを知るにはよい基礎資料だと思う。

  • 7月26日 ポツダム宣言記念日 にちなんで選書

  • 高校の頃、日本史の授業で、一年中毎回問題に出ていた終戦の日の年号。
    あんなに時間を使っていたのに、ポツダム宣言を読んだことはなかった。
    何を先生は語りたかったのか未だに分からずじまい。
    縁あって手にしたけど、読んでよかったです。
    知らないでこの先を過ごすのとは、自分にとっては大きく違うと思います。

  • この本は買って手元においときたい。

    ポツダム宣言
    6.日本国民を欺きだまして世界征服に乗り出させた者たちの権限と影響力は、永久に排除されなければならない。というのも、無責任な軍国主義が世界から追放されるまで、平和、安全保障及び正義の新秩序は不可能だと、われわれは主張するからである。

    カイロ宣言
    同盟国の目的は、日本が1914年の第一次世界対戦開始以降に太平洋で奪取または占領した初等の全てを日本から剥奪すること、ならびに満州、台湾および澎湖島など、日本が中国人から盗んだ領土のすべてを中華民国に返還させることである。

  • とてもわかりやすい解説書。スルスルと読めた。
    初めてポツダム宣言に目を通すには最適の書。
    カイロ宣言についても解説している。
    資料も充実していて900円はコスパよし。

  • 良書。
    ポツダム会談は、米英ソ、ポツダム宣言は米英中は知らなかった。
    戦後日本の出発点。
    意外に短い文章。シンプル。良く読めば分かる。
    無条件降伏と聞いていたが、日本を属国にしたり、奴隷化にするものではなく、戦争をしない、民主的な国にするというもの。日本国憲法に通づる。

  • よく考えてみると、ポツダム宣言のことって、よく知らないまま、ここまで生きてきたんですよね。

    昨年は戦後70年だったこともあり、12月に読み始めたのですが、年を越して、ようやく読み終えました。

    面白いな、と思ったのは、日本の政府と軍隊を切り離して検討されている点。
    軍部の暴走によって戦争が始まったことは、当時の敵国も理解していたんでしょうね、きっと。

    歴史に「もし」はないですが、もし、もっと早い段階でポツダム宣言を受諾していたら、少なくとも原爆の被害は逃れられたのではないでしょうか。
    そう考えると、日本に原爆が落とされたのは、日本政府にも大きな責任があるように思えてなりません。

  • ポツダム宣言とそれに関わる歴史的な文書を英文・現代語訳で載せています。
    ポツダム宣言に至った当時の世界情勢なども分かるように編集。今の日本や世界情勢理解の役にたつかも。

    読んだことある人って、圧倒的に少なかったのでは。

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