薬のデギュスタシオン 製薬メーカーに頼らずに薬を勉強するために

制作 : 岩田健太郎 
  • 金芳堂
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784765316569

感想・レビュー・書評

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  • 「製薬メーカーに頼らずに薬を勉強するために」がサブタイトルの挑戦的な一冊。

    全51編で構成されており、論文ベースに各薬剤の横比較をしている。

    一般に出版バイアスと呼ばれるように、論文は耳触りの良い結果が発表される傾向がある。そのため、有意差なしを証明する論文はある意味貴重である。

    製薬会社は自社の利益のために、不正の意識はないにしろ自社製品に有利な研究をデザインし、論文をしたため、それをセールス材料にする。

    MRによる過剰接待が規制されて久しいが、今でも薬剤説明会の高級弁当(通称:薬説弁当)は存在するし、ファイザーの多機能ボールペンは皆もっている。

    医師は、懇意にしている製薬会社の薬剤を採用したくなってしまう。これは行動経済学で立証されている「好意の返報性」による部分が大きいだろう。
    ただのお買い物ならそれでも結構。しかし、薬剤の選択は患者のQOLに直結するものであるため、そんな理由で薬が取捨選択されている状況は全く看過できない。

    では製薬会社の甘い誘惑にどう対抗するかというと、エビデンスベースに薬剤を比較することが考えられる。
    本書は参考文献を豊富に引用して様々な薬の検証をしている。

    医学生・研修医の間に本書を読んでおくと、中堅医師になったあたりでMRさんに丸め込まれないようなリテラシーが身につけられるかもしれない。

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    【リンク先】
    http://mol.medicalonline.jp/library/ebooks/detail/?id=3023

  • このシリーズは章によって書き味が異なるのが特徴です。
    薬同士の比較を具体的に書いてある本は少なく、
    この先生はこういう根拠から、こう考えているんだというのが見てとれ、
    楽しく読ませていただきました。

  • 前作の診断に関する方のデギュスタシオンは、なんというか趣味にあわず、病気のイメージをつかむという趣旨に合わないなぁと思う章が比較的多く感じていたので、こっちの薬の方のデギュスタシオン買うのはかなり躊躇していました。

    ですが、SNSでけっこう流れてきて、たまたまみた執筆者リストをみたらけっこう面白そうで、誘惑に負けて買ってしまいました。

    当直が暇だった時にたまたま気になっていた(総合診療医のメーリングリストで症例相談が話題になっていたため)呼吸器系薬剤と緩和系薬剤のところを読んでみたら面白くて、流れで一気に全部読んでしまいました。

    最初の頃使い分けに悩んでいた薬同士、研修医がいつも困っていたり、逆にわかってないのに適当に処方していて指導するようなテーマがうまく詰まっています。
    この本も執筆要項や監修がきつくないのか、著者によって雰囲気やスタンスがかなりバラバラで正直好き嫌いがかなりわかれましたが、総じて面白かったと思います。

    その道のプロで普段からその領域の薬をたくさん使っており、かつ漫然とではなくエビデンスも学び、でもそれだけに囚われず臨床経験や使用感なども含めて書いてある章はかなり面白かったですね。

    けっこうおすすめです!

  • 面白く読ませていただきました。
    そうだよな、ご指摘ごもっとも。間違いなくMRは読むべきだと思う。

  • かなり期待していたのですが…
    内容どうのこうのの前に、誤字や明らかに誤った情報が多く見られました。私が気づいただけでもかなりの数がありましたし、このような状態で書籍を販売してしまうのはどうかと思います。どこにトラップがあるか分からないです…
    内容に関してはとても勉強になりました。様々な論文が紹介されており初めて知ったこともたくさんありましたし、薬剤間の比較の方法については勉強になりました。
    できれば精査して販売し直してほしいです。

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著者プロフィール

1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業。神戸大学都市安全研究センター感染症リスクコミュニケーション分野および医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野教授。著書に『コロナと生きる』(朝日新書、内田樹との共著)、『新型コロナウイルスの真実』(ベスト新書)、『僕が「PCR」原理主義に反対する理由』(集英社インターナショナル新書)ほか多数。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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