クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育 (リアリティ・プラス)
- 慶應義塾大学出版会 (2019年2月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766425727
作品紹介・あらすじ
つくることで学ぶ、創造的な社会へ!
▼クリエイティブ・ラーニング(創造的な学び)は、「つくることで学ぶ」という新しい学びのスタイルである。「自ら知識を構成する」学習観は、「アクティブ・ラーニング」や「プロジェクト型学習」「探究学習」のように、学び手自身による活動がベースとなるが、クリエイティブ・ラーニングは、何かを「つくる」ことをより一層重視する。そして、これからの学校は、創造的に学ぶための「つくる」経験を積む場となり、教師は、生徒が「つくる」ことを支援するだけでなく、一緒に問題に挑戦し、一緒につくることに取り組む仲間、「ジェネレーター」となる。
▼本書では、子どもたちの創造力を育む、クリエイティブ・ラーニングの可能性について、気鋭の研究者・井庭崇が、鈴木寛、岩瀬直樹、今井むつみ、市川力という教育界のフロントランナーを迎え、徹底討論。読者のリアリティに新たな知をプラスする!
▼「リアリティ・プラス」(Reality+)
「プラス」は何かを加えるという意味であるが、「リアリティ」には二重の意味を込めてある。第一に、読者がもっている物事の見方のレパートリーに、新しい要素――アカデミックな分野での最先端の知と方法――を加えることで、それまで抱いていたものとは異なる現実感(リアリティ)を得られるようになることを支援したい。第二に、本書で提示される知と方法を踏まえた仕組みや道具、制度、組織をつくることで、現実(リアリティ)を変える力をもつことを支援したい。このような思いが、「リアリティ・プラス」という名称に込められている。
感想・レビュー・書評
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200ページ近くある序章にトータル600ページを超えるボリュームに圧倒され、
中々読もうという気になれなかったのですが、ようやく手をつけました。
序章は、自分のちょっと苦手な構成主義の話とかが出てきて、
難解なところがありましたが、
序章を抜けたところから徐々にエンジンがかかってきて、
楽しみながら読めました。
1章からは対談なので、読みやすいです。
この本を手に取る人はほとんどいないと思いますが、
これからの教育に興味のある人なら、読んでみて損はない内容だと思います。
探求教育と一般的に言われる分野なんでしょうか、
自分はそこまで詳しくはないですが、
確かにこれまでの詰め込み教育や
複雑な計算ドリルをやって満足しているような
既存の「塾」スタイルの勉強は今後不要になっていくでしょう。
そのヒントがたくさん散りばめられているように思います。
個人的に響いたところは色々とあるのですが、
今の教育は、コンテンツ(何を教えるか?)からスタートし過ぎているきらいがあるという指摘には、
なるほどと納得してしまいました。
まぁ、ある程度「型」が決まっている方が、
教える方としては安心ですからねぇ。。
600ページもボリュームがあるので、
人それぞれビビっとくるところは、違うのでしょうが、
それが個々の「学び」ということでいいんじゃないでしょうかね。
序章はスキップして、(興味のある人の)対談だけでも読む価値のある本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今井むつみ先生の『学びとはなにか』を読み、共感したので、学術的にはどういう位置づけなのかを知りたくて図書館で検索していたらヒットした。井庭崇先生は、同じシリーズでルーマンの社会システム理論についても取り上げており、オートポイエティックな構造を持つという点で今井先生の知識観と共通するというのが、大きな気づきだった。また、「構成主義」(コンストラクティビズム:Constructivism)は、キーワードとして役に立つだろう。
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序章
・構成主義とはなにか、クリエイティブとどのように関係しているのか -
◯ Comsumption→ Comunication → Creation
◯豊かさ=どれだけ自分で創造するか
◯言葉を学習するとは概念を学習することである。@今井さんp417
◯本当は良いことを言っているキーワードでも、人々を思考停止させながらバズワードになることも@井庭さんp418
◯クリティカル・シンキングの誤(批判→重要) -
・今後は創造社会へ。(3dプリンター、コミュニティ・デザイン、
・新しい教師像:generator 一緒につくることに参加する。創造とは自己表現ではなく、あるべきかたちになるようにすること
・研究とは知のフロンティアを開拓して広げること
(関係書)パターン・ランゲージ けだ、社会システム理論 だ