- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767826585
感想・レビュー・書評
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あらゆるデータを基にし、犬を観察し犬の行動の意味を伝えてくれる本。人間にとって暮らしやすい世の中は犬にとってはストレスフルな環境であることを理解しないといけない。一緒に暮らすからこそ、しつけも大事だが、犬は優先順位をつけるからといって人間が上に立とうという固定観念は犬の幸せにとっては不要であり、愛情を持って接することで犬も分かってくれる。美容整形や避妊手術などは人間の都合の良いように押し付ける非情な行いであり、犬を1人の家族として見ることで見方は変わる。犬の行動を理解するには、ある程度のパターンはあっても1匹1匹が違う犬であるため、自分の犬をよく観察し、他の犬とも比較することも大切である。人間だけの幸せを考えてペットを飼うのではなく、犬の幸せを願い飼うことが1番大切である。
犬はニンゲンの10から100万倍の嗅覚であるため、嗅ぎすぎて嗅覚疲労になる
視力は0.27夜は人間の5分の1の光でも見える
耳は人間の2倍で感知し、4倍の遠くの音が聞こえる
犬は本能的に遊ぶのが好き、
犬はプレイバブというお辞儀をして意思疎通をはかる
順位があるからと言って、人間は上であると主張しない
犬のマーキングは社会的地位を知らせ、縄張りを主張し、生殖状況を知らせている
犬には感情があり、尻尾、吠え方、態度で表現する。
人間の表情をよみとる、飼い主に似る
犬と向き合うためにはよく観察して、動物学者のように行動を研究し、人間のストレスフルな暮らしを軽くし幸せにする
不安ストレス多いと口周辺が白髪に -
犬について最新の科学的な知見が知りたいというひとがいたら、真っ先にこの本を勧めたい。
題名のとおり、本人も重度の(?)愛犬家かつ動物行動学を専門とする著者が、おなじく愛犬家の人々、また犬を飼っていなくても犬や動物たちが好きな人々に対して書いた本。
一般読者向けの平易な語り口ながら、最近の研究や仮説まで、非常にたくさんのことを学べる。
そして重要なのは、著者自身が犬を愛しているということだ。常に温かな愛情をともなった著者の視線によって、愛すべきわれわれの隣人の、多様で豊かな本当の姿が克明に浮かび上がり、かれらがどのような内的世界をもっていて、どんなふうに外界と向き合っているのか、わたしたちに想像するヒントを与えてくれる。対象への愛情を切り離して考えるのが多くの科学者の態度だが、筆者は対象を愛しながら同時に科学者であることは可能だと、むしろそれこそが今の動物学者に求められている素質なのだと証明している。
巻末の注全訳が非常にありがたい。各資料も読んでみたい。 -
ふむ
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要するに犬の事は画一的に評価出来ないが、人と同じように大切にしよう、と。
膝の上で温まる愛犬を撫でながら、肯く。 -
<目次>
第1章 犬と暮らせば
第2章 犬から見た世界
第3章 犬はただ楽しみたいだけ⁉
第4章 犬社会の掟
第5章 誰が誰を散歩させているのか
第6章 心ある犬
第7章 感情と心
第8章 ドッグパーク・コンフィデンシャル
第9章 犬の良き相棒になるためには
附けたり 動物行動学者になりたいなら
<内容>
表紙にやられる!内容は学者の生硬な文ではない。また著者のアプローチも実験室的なものではなく、自分の飼っている犬、近所の犬、ドッグパークでの観察、飼い主の投稿など、観察を中心とし、分析も慎重である。事実が淡々と語られる。しかし、犬への愛情がこもっている。一読してわかるのは、犬は愛情深く、感情豊かで、小便も大便も深い意味があり、本当はリードなど附けず散歩させ、犬と一緒に生活すべきなのだ、ということ。