「特別の教科 道徳」ってなんだ?: 子どもの内面に介入しない授業・評価の実践例
- 現代書館 (2018年1月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784768435625
作品紹介・あらすじ
道徳の教科化の問題点と、学校現場に及ぼす影響を整理し、問題点の指摘にとどまらず、どのような授業展開が望ましいか教科書に採用されている教材を実際に使った授業実践を紹介。内心に介入しない評価について提起する。
感想・レビュー・書評
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「特別の教科 道徳」が本格的に始まった。
現場の実感としては、「評価も増えて面倒だ」「仕事量が増えた」といったネガティブな意見はあるが、本書に書かれているような「自由であるはずの個人の内面に介入すること」への教員の問題意識は非常に乏しい。
本書の後半に池田氏が書いているように、本来ならば、教える内容が「健康」のような「よいもの」(一般的によいとされている価値観)だとしても、それを国家権力が規定することはとても危険なことだ。
価値観の内容の良し悪しではなく、道徳という生活や家庭環境や生き方に深く関わる「心のあり方」を、一方的に決まった方向へ教えられ(誘導され)評価されることの危険性、暴力性を問題視しなければならない、ということが分かりやすく書かれており大変勉強になった。
実践事例として「中断読み」が提案されているが、「特別の教科 道徳」で子どもの学びは生まれない、ということを忘れずに、教員や教科書の権力性を自覚した上で取り入れていきたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4.1道徳教科化の問題点が書かれていて読んでいて納得できる。人の心の中までは評価できない。内心への国家的介入は、時代の逆行を生む。危険予測の内容。
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教育の変革は起こるべくして起こる。本書を通して私たちは「なぜ?」をという自分自身の問いに向き合っていく必要がある。