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- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784768478042
作品紹介・あらすじ
1998年暮れに他界した巨匠・木下恵介の多面的世界に肉迫する気鋭の書き下し!木下作品49本のうち、いままで語られることの少なかった『わが恋せし乙女』『少年期』『惜春鳥』など12本を詳細に見直し、まったく新しい木下像を構築する。
感想・レビュー・書評
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木下惠介の作品を評伝の中でレビューした著作はいくつかあるが、12/49という限定数とはいえ、これだけ各作品を、相当のページを割いて論じたものは、今のところ他にない。
そういう意味では希有な書物であるが、筆者の目のつけどころが独特なため、相応に物議を醸しうるものでもある。
長部日出雄『天才監督・木下惠介』のレビューでも書いたが、木下作品は限定された形でしか世に流布していない。あるデリケートな部分の扱いをどうするか という問題があり、本書はそこに着目している。
惜しむらくは、一映画評論家として直観を冴え渡らせてまとめあげた著作であるため、全体が主観的なレベルに留まっている点(その分、批判的に引用することで着目される可能性を秘めてはいるが…)。上記『天才監督〜』で丹念にまとめられた、だいぶ客観的な木下の生育歴などとうまいことミックスできれば、もっと木下がいい意味で注目を浴びる可能性は秘めている。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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