兵隊やくざ 新装版: 貴三郎一代 (光人社ノンフィクション文庫 146)

著者 :
  • 潮書房光人新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769821465

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  • 【概要・感想】
     ソ連との国境に近い北満の孫呉で戦友(「解説」によると初年兵とその教育係の古参兵の関係をいう)となった上等兵殿と、とんでもない初年兵・大宮貴三郎を通じて、軍隊・兵隊の生活、その悲哀が描かれる。ビンタも、階級も、軍律も通じない大宮を勝新太郎が、そして上流階級出身のインテリでありながら幹候志願を拒否した上等兵殿を田村高廣が演じる、痛快な映画版の原作(原題「貴三郎一代」)。
     映画版で見知っている場面が多かったが、この原作もとても面白かった。ざがねの伍長に制裁を加えるところ、散歩していた豚の尻をそいで作ったトンカツ、酒を口にふくみヘソに流し込んでしずくをすする臍酒には笑った。また、二人のユニークで無頼の軍隊生活もさることながら、戦争に歪められながらも人間性を失わないその姿が印象的だ。著者は軍隊を描くとともに、人間とは、人間の社会とはどのようなものかを描き出す。そして人間の組織に見られる様々な特徴を、非常に極端な形にして併せ持っているのが軍隊であるように感じた。
     上等兵殿(のち兵長殿)のモデルは、やはり著者の有馬頼義なのだろうか。ちなみに映画版では上等兵殿は「有田上等兵」となっているが、原作では意外にも有田というその名前は出てこなかった。

  • 清濁関係なく,あの頃の軍隊の中を知るのにおもしろかった。そして何よりも貴三郎が魅力的。

  • 勝新太郎と田村高廣の絶妙なコンビ純真で猥褻な小川真由美の妖艶な美貌田中邦衛・中谷一郎の一途な個性大宮・有田1966年の作品86分

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