私観太平洋戦争: 和平工作に奔走した一提督の手記 (光人社ノンフィクション文庫 220)
- 潮書房光人新社 (1998年12月1日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769822202
感想・レビュー・書評
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すごく読み応えのある一冊だった。特に私の読書研究テーマについての2点を挙げたい。1つ目は日本は「戦争を避けることができたのか」少なくとも日中戦争に入った頃には既に難しい状況になっており、米国の極東政策と対日意識をもってしては回避は難しかったのではないか。つまりもっと早い段階から各国との付き合い方を戦略的に考え外交努力が必要だったのではないかと私は考える。2つ目は「開戦における天皇の責任」参謀総長、軍令部総長の地位は天皇の統帥命令の伝達機関であって、各国務大臣のような責任機関ではない。一方総理以下国務大臣は統帥に関して一切関与できないので、国務と統帥の調節は憲法上天皇以外にこれを採決される地位は存在しなかったと。明治憲法における天皇の立場を踏まえてこのように論理的にまとめられている記載は初めて見た。読んでいく中で次の読書へのヒントも得られたのでさらに進みたいと思う。
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高木 惣吉という人は健康問題もあって戦場に出ていないので,本書も所謂軍政面での宮廷闘争の話となる.
読みどころは第5章「戦争終結への模索と難航」のくだり.もうどうしようもなくグダグダになってるのを何とかランディングさせるための悪戦苦闘が面白い.
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