飛龍天に在り: 航空母艦「飛龍」の生涯 (光人社ノンフィクション文庫 800)
- 潮書房光人新社 (2013年8月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769828006
作品紹介・あらすじ
司令官山口多聞少将、艦長加来止男大佐。傑出した二人の闘将を指揮官に戴いて、パイロットも機関科員も人艦一体となり天翔ける龍のごとく、国家存亡をかけて戦い、炎の海に雄々しくも最後を遂げた航空母艦『飛龍』-エンジニアたちの叡智と技術と努力の結実したその誕生から終焉まで、詩情豊かに描いた感動作。
感想・レビュー・書評
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太平洋戦争の転機となったミッドウェー海戦。3隻の空母が被爆した後孤軍奮闘したことで知られる空母「飛龍」。その生涯を描いた戦記。
昭和14年の完成から16年太平洋戦争の開戦真珠湾攻撃から17年のミッドウェー海戦で沈むまで。空母「飛龍」の生涯を、生存者たちの記録から描いた作品。
技術者上がりの筆者。空母としての技術的な視点もあるが、簡にした的を得た記述が心地よい。
赤城、加賀、蒼龍が敵の奇襲で撃破された後の飛龍の奮闘が何より圧巻。
現在のアメリカ海軍を除けば複数の空母を運用した国は日本とイギリスぐらい。今思えばすごいことだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
飛龍の建造計画から沈没まで
飛龍のみではなく蒼龍と二航戦の話とかありますが、半分がMI作戦に関する記述
ですので飛龍視点のMI作戦の本っぽい感じになってしまってます
飛龍と二航戦。そこにいた方々の記憶と記録 -
ミッドウェーの戦いが、飛龍の乗組員の眼を通して語られた物語。
索敵の不足、山口多聞少将の最期や、僚艦の蒼龍艦長の覚悟、飛龍が沈まなくてもすんだ可能性を自ら捨てた機動艦隊の錯誤など、結末を知っていても泣ける。名もない兵士達が自分の持ち場を必死に守り続ける姿が、司令官から末端まで変わらない。史実でもあり心の記憶が書かれた一冊。