ちびくろサンボ

  • 径書房
4.02
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本棚登録 : 215
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (41ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784770501998

作品紹介・あらすじ

80年前アメリカで出版された美しい一冊の絵本。その絵本は、日本で120万部以上も売れた岩波書店版『ちびくろ・さんぼ』の原書となりました(現在は瑞雲舎より刊行されています)。ところが岩波書店版は、フランク・ドビアスが描いた印象的なイラストを大幅に改編したものだったのです。アールデコの流れをくむドビアスの力強いイラストは、その多くが一部をカットされ、反転され、合成されました。なかには収録されなかったイラストすらあります。
そのようなことが起こったのは、イラストを描いたフランク・ドビアスが消息不明になってしまったため、守られるべき著作権が守られなかったこと。岩波書店が『ちびくろ・さんぼ』を出版した1953年当時は、まだ著作権を重んじる意識が日本で低かったこと。横書きの絵本がほとんどなかったので、横書きの原書を縦書きにする必要があったことなどが原因です。
当時にしてみれば、しかたのないことだったのでしょう。けれども、大幅に改編されたがゆえに、『ちびくろ・さんぼ』は原書の持つ味わいを失ってしまいました。これほど長いあいだ『ちびくろ・さんぼ』を愛読し続けてきたのに、私たちはフランク・ドビアスの描いた本当のイラストを知らないままなのです。
そのうえ、著作権に対する意識がこれだけ高まっている昨今になってもまだ、フランク・ドビアスの絵を真似た、盗作とすら言えるような絵本が出版されています。
長年にわたって私たちを楽しませてくれたフランク・ドビアスに対する深い敬意を込めて、私たちは彼のイラストをできるかぎり忠実に再現。いまようやく、原書そのままの絵本を世に送りだします。岩波書店版(瑞雲舎版)には収録されなかった5点のイラストは、日本初公開。
子ども達に伝えたいのは、原書にしかない本物の味わい。いまは亡きフランク・ドビアスも、きっと喜んでくれることでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • ■書名

    書名:ちびくろサンボ
    著者:ヘレン・バナーマン,
    イラスト:フランク・ドビアス

    ■概要

    むかしむかし、あるところに「ちびくろサンボ」という男の子がい
    ました。ちびくろサンボは、お父さんとお母さんに素敵な服をもら
    って、大喜び。ジャングルへ散歩にでかけました。すると、次々と
    トラが現れて……。そして、最後は、おいしそうな「トラのバター」
    で作ったホットケーキを169枚も食べて、めでたしめでたし。
    絶版になった名作・岩波書店版『ちびくろ・さんぼ』の原書を忠実
    に再現しました。
    (From amazon)

    ■感想

    懐かしいちびくろサンボです。
    小さいころ読んで、かなり虎がバターになるという部分がやけに
    印象に残っていました。

    今回読み返して思った部分は、記憶と少し違うな~という事です。

     ・虎が3匹ではなく、4匹だった
     ・さんぼは木に登らず、木の陰からトラを見ていた。

    私の認識では、虎が3匹で、サンボが木に登ったと認識していました。
    (絵本によっては上記のようになっているのかもしれません。)


    なんか、すごく不思議というか、シュールな絵本です。
    後半は特にシュールだな~と思います。

    でも、改めて読めてよかったです。
    絵本とは、不思議なお話しが多いです。

  • <閲覧スタッフより>
    1970年以降に人種差別との関連性が指摘されはじめ、各地の書店や図書館から姿を消した過去のある絵本です。この本の過去をどう思うかは各個人の判断なので何も触れません。でもドビアスのイラストはとっても魅力的だと思います。
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    所在記号:726.6||ハヘ
    資料番号:10189028
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  • 柚木麻子さんのButterを読了後、ずっと心に残っていて大学図書館で探して読んだ。血 = Butter(乳)なのはとても奇抜で良い着眼点で、私はButterを読まなかったらきっと死ぬまで気付けなかっただろう。

  • 小説「butter」読了して 読みたくなった絵本。

  • 虎が溶けてバターになる、
    そのバターでパンケーキを作って食べる、
    というのが幼心に衝撃だったらしい。

    ぐるぐる回っている絵も忘れ難し。

  • 月イチ絵本番外編。
    子供の頃に読んだ真っ赤な表紙のちびくろサンボとはイメージの違う絵本を本屋で発見。
    なんだこれは!と思ったらどうやらこれは原書の復刻版のような物らしい。
    非常に綺麗で心惹かれてしまったので購入。
    今月買う予定はなかったんだけど・・・我慢しきれずに購入。
    よい。
    とてもよい。
    本当はこんなに綺麗な絵本だったのね。
    印刷のズレなんかも忠実に再現されていてこれもまたよい。
    一時期絶版になっていたけれど復活されて本当に良かった。
    赤い表紙の方もこれまた読みたくなってきた。
    いやあ本当に面白い。

  • すばらしい色使い。心が一気に広がる色です。

  • 書店で平積みになっていたこの本。
    「あれ?ちびくろサンボって廃刊になったのでは?」
    ※ちびくろサンボ問題【Wikipedia】
    http://kwww3.koshigaya.bunkyo.ac.jp/wiki/index.php/%E3%81%A1%E3%81%B3%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%9C%E5%95%8F%E9%A1%8C

    知らないうちに人気絵本に帰り咲いていました。
    問題が解決したのではなく、うやむやにしただけのようです。
    ※日本における復刊【Wikipedia】
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A1%E3%81%B3%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%9C#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AB.E3.81.8A.E3.81.91.E3.82.8B.E5.BE.A9.E5.88.8A

    わたしはこの話がとても好きです。絶版になった時びっくらたまげて悲しかった。野獣と人間の対決で、こんな愉快な落着のしかたがほかにあるでしょうか!? ・・・否、在ルマイ。
    それでも。
    まずいやりかただなあと思います。ミセス・バナーマンが意図したわけではなくても、当時の欧米人の常識としての侮蔑意識がこの本ににじんでいて、傷つくひとたちがいるのなら。 同じく白人から差別されるイエローモンキーとして、その心情をおもいやることは、比較的たやすいのではないかと思うのです。
    ただ。
    ただし、ですね、主人公が、サンボでもアーサーでも、佐助でも、インディラでも。舞台が、インドでもアフリカのどこかでも、スコットランドでも、火星でも。そんなこと関係なく、この話は成り立つし、かわらず愉快なおはなしだと思うのです。

  • 図書館にあったはあったんだけど、残念ながらシリーズ含め全部書庫扱いだった。

  • ちびくろさんぼの初期の本を再現した本。

    見慣れた絵よりも絵が少しとがっているような気なする。
    最後、お父さんがバターを拾ってお母さんが料理するくだりは忘れていた。

  • 小さい時に家にあって、何度も何度も読みました。
    昨日、図書館で久しぶりに見かけて思わず手にとって、懐かしく感じて、借り手帰って来ました。
    子供に読んであげたことあったかなーって。
    読んであげたなーって、思いました。

    ずっと読み続けると思います。

  • サンボホットケーキ食べ過ぎ!

  • 読み聞かせに購入。
    文章のテンポがよく、子供大喜び。
    サンボくんのお父さんはとってもダンディ。

  • 10年くらいまえ(もっと前?)に話題になったなあ
    たしかトラがバターになる話だよなあと思って読んでみました

    絵本特有の繰り返しって、大人としては3回もやるといい加減あきてくるんですが
    ちっちゃいこって繰り返し何度までならいいんだろうなあ・・笑

    なんでトラが跋扈してるジャングルを散歩してるのかとか
    なんでぐるぐる回りすぎてトラがバターになるのか
    さっぱりなんですが
    (注釈にインドではバターを「ギー」というって書いてあるけど、「ぐるるるー」が「ぎー」になったの?関係ない?あれ?)

    まあ面白かったからいいや
    絵もかわいい

    こういう意味不明さがたまらん!

  • 2010年1月の一冊。トラ!
    いろいろいわれてる本だけど、私は好きだなー

    トラが回りすぎたら、バターになるって信じてたもん(笑)

    ちびくろサンボ関連の本は更に読んで、いろいろ言われる所以を知りたいと思う。

  • 小さい頃、何回も楽しく読んで印象に残っている絵本です。その絵本が差別的だとして絶版になったと聞いたとき、びっくりして信じられませんでした。最近の子供たちは、この本を知らない子が多いのですね。楽しいお話なのに、残念です。岩波書店版のイラストレーターFrank Dobiasによるものが横書きになって新装復刻されました。169枚もパンケーキを食べたシーンは、こうでなくっちゃ。

  • コンパクトでかわいい本。
    わたしたちが馴染んだ岩波のものより、原書に忠実な絵なのです。
    こっちのほうがいいぞ! 素晴らしい線と色使い、センス。

  • サンボ、マンボ、ジャンボ!という響きがお気に入りの様子。
    パンケーキを129枚食べるところなんて大興奮です!

  • 2009/1/14

  • 原書を発見!!子供の頃の記憶で、トラがぐるぐる回ってバターになるのは覚えていたんだけど、もともとどういう話だったっけ?と思い購入。とってもなつかしかったのと、おしゃれな原色の絵に感激です♪でも、この絵本だと大人向けですね。

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著者プロフィール

Helen Bannerman 1862〜1946
イギリスに生まれる。マデイラ島で幼年期を過ごし、10歳で帰国。その後、医師と結婚してインドに渡った。自分の子どものために書いた『The Story of Little Black Sambo』が1899年にイギリスで出版され、やがて各国で刊行されたが、絵やテキストを改編したものが多い。日本では1999年に径書房が原書を刊行した。

「2008年 『ちびくろサンボ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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