木を植えた人

  • こぐま社
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本棚登録 : 442
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (52ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772190060

作品紹介・あらすじ

たった一人で希望の実を植え続け、荒れ地から森を蘇えらせた孤高の人。ひたすら無私に、しかも何の見返りも求めず、荘厳ともいえるこの仕事を成しとげた老農夫、エルゼアール・ブフィエの高潔な魂が、読む人の胸をうつ。

感想・レビュー・書評

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  • 無私の行為!
    何かに集中できてる時ってこんな感じ...

  • ★ 無味乾燥な世界に、少しずつ先が見え、変化が表れていく。そこに描かれる、静かに淡々と粛々と続けられる行い、そしてその周辺。

    ★ 思い出すたび、琴線のどこかに触れ、様々な音色が鳴る。

    ★ この本に出会えた事を、素直に喜び、大いなるものに感謝したい。出会えてよかった、読む事ができて、本当によかった。また、読みたい。

    本はコンパクトで、布で装丁されていて、何とも手触りがよかったです。
    尚、原題は【L'homme qui plantait des arbres】。フランス語は詳しくないですが、「木を植えた男」のほうが原題に合うような...。



  • 50ページ足らずの薄いこの本にどんな秘密があるというのでしょう。
    小学校・中学校の夏休みの宿題に感想文があれば推薦本の中に、必ずといっていいほどこの本がありました。たんなる課題図書かと思ったのですが、そうではありませんでした。

    本自体は薄い児童書のような感じで、
    表題どおり内容は「木を植えた人」の話です。
    一人息子と妻を失った55歳の男性が荒れ地をなんとかしようと決意し、30年以上もの長い間、無人の土地で木を植え続け、やがてひとつの森と町を作るという物語です。

    ただただひたすら、木を植えるだけ。
    この行為が長い時間を経て、大きな実績へと繋がります。
    荒れ地に緑のオアシスができ、やがて森になって、町ができたのです。
    それも55歳から。

    小・中学生が読めば、「努力し続けることの大切さ」を学ぶでしょう。
    55歳という熟年層の方が読めば・・・
    「あきらめないで続けることの意義」を見出すでしょう。

    何歳になっても何かしら新しい発見がある本だなとあらためて再確認。
    努力あっての結果。続けることの大切さ。
    考えれば考えるほど奥が深い本です。
    人生において、無言で叱咤激励をしてくれるような一冊だと思います。

  • 座右の書です。

    日本語ではいちばんいい本だと思います。

  • 高校生の時に、取り寄せて、何度も味わった本。
    私の理想像で、心が揺さぶられる、原点です。

  • 2024/4/30
    難しい話だった
    結局何を伝えたいのか分からなかった
    宮沢賢治の詩と似ていると感じた
    見栄のない世界でただ平和に暮らし、見返りも求めない人
    私利私欲にまみれた現代とは真逆の世界。
    本の中の世界はゆっくりとした時間が流れていて、常に時間に追われている私は一体何を目指しているのかわからなくなった
    福原さんのおすすめ文庫とのことだが、福原さんはなぜこの本を配ったのか?
    自然を大切にし、見返りを求めずせっせと働けということなのだろうか…

  • 個人的な感想
    日本昔話でも似通った話があったと記憶している。
    他者から見て、不可解な行為とされるものが、知らず知らず時を経て人々を救うことになる、という話だった。冒頭の「真の価値をもとに行動した人がやっていることの価値に気づくためには、その人を長年知り続けることで初めて知ることになる」の意味が読む終えたことで納得した。


    あとがき
    × 英雄的な行為
    ×あなたができることを少しずつしましょう
    ×世を変えるには、権力や富、また数人力を頼む行動や声高かな主張

    ◎静かな持続する意思に支えられた、力まず、目立たず、己を頼まず、速攻求めず、粘り強く、無私な行為です。これは並大抵のものではない。それにもかかわらず、私たちに指針を与え、励ましてくれます。

  • 小さいことからコツコツと……といわれるように、強い意思を持って行った毎日の小さな積み重ねが、着実に未来へ繋ぎ、向かっていってるのだと気付かされました。  絵のない絵本のような短編の物語でしたが、とても濃厚に凝縮された内容だったと思う。 

  • 中学生で初めて読んだ時にとても強い衝撃を受けて山で植林する仕事をしてみたいと数ヶ月も思っていました。現在は園芸などに携わる時に次世代にも生きる草木を育てたいと心の何処かで思っており、何十年も前に読んだこの本のお陰だと感じるのです。

  • 個人的に大好き。短いから読みやすいし、だからこそ印象に残る話でもある。特に「人間は破壊するばかりの存在というわけでもなく、神に似た働きもできるのだ。」がお気に入り。
    口数少ない爺さんもすき。目に影が落ちて髭と髪の長いサンタさんみたいなイメージで読んでる間ずっと頭の中にいる。好き

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著者プロフィール

Jean Giono.1895~1970. 
作家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年、逮捕される。1953年の『木を植えた男』はジオノ没後、20数か国語に翻訳された。
邦訳書に『蛇座』(山本省訳、彩流社、2021年)、『純粋の探究』(山本省訳、彩流社、2021年)、『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、『丘 岩波文庫』(山本省訳、岩波書店、2012年)、『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)、『世界の歌』(山本省訳、河出書房新社、2005年)、『気晴らしのない王様』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1995年)、『いかさまトランプ師の冒険』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『木を植えた男』(山本省訳、彩流社、2006年、他多数翻訳あり)、『屋根の上の軽騎兵』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『喜びは永遠に残る』(山本省訳、河出書房新社、2001年)、『憐憫の孤独』(山本省 訳、彩流社、2016年)などがある。



「2022年 『メルヴィルに挨拶するために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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