カテリネッラとおにのフライパン: イタリアのおいしい話 (こぐまのどんどんぶんこ)
- こぐま社 (2018年9月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772190732
作品紹介・あらすじ
イタリアの昔話から、食べ物にちなんだ4話をチョイス。鬼から借りたフライパンに、お礼のドーナツを入れて返しにいったカテリネッラが、食い意地に負けてドーナツを食べてしまい、怖ろしい結末になる表題の話。他に、腕のいいパン職人が作ったパンでできた少女に王子さまが求婚する話、食べても食べてもなくならないチーズやワインで難題を解決する青年の話など。
感想・レビュー・書評
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美味しそうな食べ物が出てくるイタリアの昔話集。
・カテリネッラとおにのフライパン
・パンでできたお人形
・バビロンの通りはいくつある?
・まじょがくれたバイオリン
どれを読んでも面白いが、インパクトが大きいのは表題作。
ある日、カテリネッラは「手作りドーナツが食べたい」と母親にせがむ。母親は、鬼の家に行ってフライパンを借りてくるように言う。「返す時にドーナツを持ってきますっていえば、かしてくれるよ」と。
フライパンを借りてきたカテリネッラは、母親の美味しい手作りドーナツを味わった後、鬼にフライパンを返しに行く。フライパンの中にはお礼のドーナツが10個。
我慢できないカテリネッラは、ドーナツを全部食べてしまい、途方に暮れる。
そして、あろうことかカテリネッラは、ドーナツの代わりにある物をフライパンの中に入れて…。
これを読んで思い出したのは、「こねこのチョコレート」。これは家族の物語。弟にあげるはずのチョコレートを全部食べてしまった姉は、結局空っぽの箱を弟に渡すが、親や飼い猫のフォローもあり、丸くおさまる。
日々を共に暮らす家族なので、互いの寛容さ、時には物事を曖昧なままそっとしておくこと、などは「暮らしの知恵」と言えるのかも。
カテリネッラの方は、鬼を相手に空っぽのままというわけにもいかず、苦し紛れのごまかしをしてしまい、厳しい結末となった(空っぽの方がまだ良かったかも…)。
「鬼」は「社会の厳しさ」なのだろうか?
約束を守ることは我が身を守ること。礼節を欠いた行為や欲に負けた行為は、運が悪ければ命取りになることも。
「貸す者」であるときは寛容を、「借りる者」であるときは礼節を持てる人でありたいな。
などと色々考えたが、結局の結論は「昔話はとにかく面白い!」に尽きる気もする。
とにかくお話のパワフルな面白さに引き込まれ、頭で考える教訓以上に「身に沁みる」感じ。
色んなお話があるから良い、色んなお話に触れれば良い、と思う。
ただ、繊細な子や怖がりの子、幼い子に読むときには、親が事前に結末まで目を通しておいた方がいいかもしれない。
また、情感たっぷりに語るよりも、事実を語るように淡々と読み聞かせる方が、この昔話の面白さを存分に味わえるように思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「カテリネッラとおにのフライパン」
カテリネッラがおにに食べられてしまうって、子どもにはちょっときついよねぇ、信頼関係のある子ども相手なら話せるだろうけれど。
大人は面白がるか。 -
おいしい食べ物がでてくるイタリアの民話を4話収録した児童向けの本。表題作はカテリネッラという女の子が鬼からフライパンを借りる話。借りたお礼にドーナツを渡すはずが、カテリネッラが渡したものはなんと…。どの話もおもしろかった。
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食べ物にまつわる4つのイタリアの昔話。
表題の他に、「パンでできた お人形」「バビロンの通りは いくつある?」「まじょがくれた バイオリン」。
カテリネッラは、フライパンを鬼に返しに行く途中で、鬼に持っていくと約束したドーナツを全部食べてしまいます。困ったカテリネッラは、ドーナツの代わりに、フライパンに馬のフンを入れて鬼に置いてきます。鬼は怒ります。さあ、どうなると思います? ラストは大人が読むと衝撃的ですが、昔話らしくカラッとしています。
他の話も、昔話では定番の妖精や悪魔、魔女が出てきて、市井の人々を困らせたり助けたりしてくれます。昔話らしく優しい人や頭を使う賢い人には幸せになります。 -
イタリアのおはなしは、ちょっと破天荒。カテリネッラは鬼からフライパンを借りるとき、お返しを渡す約束をしたのに、自分で食べてしまいました。怒った鬼は、カテリネッラを追いかけて…。びっくりの結末。
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食べ物にまつわるイタリアの昔話4話。
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イタリアの昔話。小学校低学年向き
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イタリアの昔話を集めた本。表題作は因果応報。