- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772409940
感想・レビュー・書評
-
臨床心理士を目指していた初学者(元)です。この一冊に出会えて良かったと思う。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第1章 精神療法とは何か
第2章 治療者の基本的態度
1.治療構造の設定
2.受容すること
3.面接世界の構造
第3章 面接過程での着眼点
1.病気をめぐって
2.病気についての患者の説をきく
3.病気についての治療者の説を組み立てる
4.治療者と患者の間に何が起こっているか
第4章 初心の治療者の抱くいくつかの疑問をめぐって
1.患者が治療者にいろいろ質問し,解答を求める場合,治療者はどう対応すべきか
2.治療者が患者にこれ以上きくことがないと感じて,何をきいてよいかわからない場合
3.治療者の質問に患者が答えてくれない場合
4.患者が精神療法の有効性に疑問を表明する場合
5.患者が治療者の個人的なことをきく場合
6.特定の患者のことが治療者の頭から離れない場合
7.患者が治療者に性愛的感情を向ける場合
8.患者が治療者に贈り物をする場合
9.患者の行動化(アクティング・アウト)が頻発する場合
10.患者からしばしば電話がかかる場合
11.治療者が特定の患者との面接を重荷と感じたり,患者に対して陰性感情を抱く場合
12.患者が途中で受診しなくなって,治療が中断する場合
付章 いまあらためて精神療法とは何かを考える
面接の場面で何が起こっているか、それをどれだけ多義的に理解し、そしてClと話し合えるかが心理面接の醍醐味と言っていいだろう。
目に見えるものから見えないものまで、また耳に聞こえるものから聞こえないものまで、どれも拾えるように感性を磨いていくことが臨床家には必要で、この本にはその際の注意点、心構えが述べられている。
Clが目の前で表現することをなぞりながら聴いていくこととはすなわち、ThとClがClについての互いの認識のズレを徐々に修正していく過程であるのだろう