精神鑑定の乱用

著者 :
  • 金剛出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772411202

作品紹介・あらすじ

司法臨床現場からの緊急報告。近年注目を集める広汎性発達障害患者の責任能力にまで論及。裁判員制度の時代における精神鑑定の問題点を明らかにした画期的論考。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の文章は熱い気持ちを冷静な筆致で説かれており、読んでいて読後感が良い。精神鑑定を始めとして、カルテ開示や症例研究などでの個人情報開示、適用外処方など、現場が法律の問題で悩むところにヒントを与えてくれる所が多かった。裁判員裁判が開始される前に書かれた文章が多く、きっと新しい制度に向けて書かれたと思われるものであるが、裁判員裁判が始まってから、精神鑑定について書かれた文を読みたくなった。

  • 精神鑑定について、あちこちで書いた文章をまとめた本。
    タイトルにもなっている「精神鑑定の乱用」の文章が読みどころで、法廷戦術として鑑定を要求する弁護士があまりに多いこと、そして、情状酌量の材料にすべきことと責任能力を混同した鑑定があまりに多いことなどが批判される。
    日垣隆が引用されていたり、英国の司法精神医学の紹介にかなりの分量を費やしていたり、ややバランスがよくないところもあるが、一通り目を通しておくべき本。

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著者プロフィール

1962年神奈川県鎌倉生まれ。獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授。精神科医。東北大学医学部卒。自治医科大学大学院にて医学博士を、ケンブリッジ大学大学院にてPhDを修得。順天堂大学准教授を経て、2008年から現職。日本の大学病院で唯一の「薬に頼らない精神科」を主宰。専門は、うつ病、発達障害、プラダー・ウィリー症候群等。精神科臨床一般のみならず、産業医としてストレスチェックに対応し、精神保健判定医として医療観察法審判等の業務も行っている。
〈主な著書〉『精神科医島崎俊樹 ―人間の学の誕生―』(東信堂) 、『激励禁忌神話の終焉』(日本評論社) 、『精神鑑定の乱用』(金剛出版)、『思春期の精神科面接ライブ ―こころの診察室から―』(星和書店) 、『プライマリケアの精神医学 ―15症例、その判断と対応―』(中外医学社) 、『生活習慣病としてのうつ病』(弘文堂)、『うつの8割に薬は無意味』(朝日新聞出版) 、『うつの常識、じつは非常識』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) 、『うつ病から相模原事件まで ―精神医学ダイアローグ―』(批評社) 、共編著として『精神科臨床はどこへいく』(日本評論社)、『子供のこころ医療ネットワーク ―小児科&精神科 in 埼玉―』(批評社)。

「2017年 『精神科医と考える 薬に頼らないこころの健康法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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