心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門―エビデンスを「まなぶ」「つくる」「つかう」
- 金剛出版 (2015年12月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772414616
作品紹介・あらすじ
エビデンスをめぐる誤解や迷信を、この一冊で一度に解決!エビデンス(治療の根拠)がわかれば、臨床実践は今よりもっとうまくいく。クライエントのニーズに応えて本当に必要なセラピーを提供できるセラピストになるための「エビデンスがよくわかるポケットガイド」!
感想・レビュー・書評
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必読。
ここ10年で読んだ本の中でもベスト。
科学的な視点とは何か。エビデンスをベースとする考え方は何か。
個人の生存戦略視点でも非常に大事なことがつまっている。
本書は心理療法を例にEBP(Evidence-Based Practice)の重要さを説いている。
この考え方自体、心理療法に限らず医学や他の論文をベースとした読みかたも通ずるものがある。
実際にこの本のおかげで自身の持つ持病の対策の効果をエビデンスベースでメタアナリシスの効果が高い物を探すことができた。
個人が日本語でも根拠にたどりつく方法が示されている。
そう、一般の人でも医学的根拠にたどりつくことはできるし、それを世界は推し進めているのだ。
一方、日本ではその科学的視点が弱いことがよくわかる。
また、どんなに効果が認められても日本ではどうか?という検証も必要ということもわかる。
RCTという信頼度の高い試験方法が確立されていることを知った方がいい。
アウトカム次第ではあるが、本当に効果のあることを立証するのは難しいのと
その難しさを改めて挑戦しようとする時代にここ2,30年は突入したのだと感じる。
世代交代。
もはや人間100年時代において自分の考えそのものをバージョンアップではなく
根こそぎ世代交代して生まれ変わるレベルで常に最新をおう必要があると感じる。
本書に沿うならインフォームドコンセントや説明責任がクライエントとして問うことができる時代。
その質問に何も答えられない答える気がない治療者は医学をもとにしていないといえるのだろう。
個人やアートに偏りすぎると効果があるかないかわからないことを進めるともはや呪術という話。
人類は今バイアスと戦う時代に突入しているのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
論文を読んで、自分の地肉にしていきたい人にとてもおすすめ。
論文の種類とか、質とかがわかるようになる。 -
#アウトプットファースト
IT業界だと、業務の正しさの証拠を示すことが多いが、心理学上での別の解釈を知ることが目的。
「エビデンス・ベスト・プラクティスの真髄は健全な批判にある」。
エビデンスにはヒエラルキーが存在し、エビデンスの存在する場所に依る。
エビデンスは特定の事例と一般化できる事例になり(固定のバイアスを防ぐ)。一般化できる「外的妥当性」に昇華して確実性を高める。
自分が業務(IT業務)で使用していたときは「実施した作業の客観的正しさ」を証明するためのものであったが、正しさが一様に決まらないことがよく分かる内容。 -
請求記号 146.8/H 32