改訂新装版 子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング: 育てにくい子ほどよく伸びる

制作 : 子育て科学アクシス 
  • 合同出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772615327

作品紹介・あらすじ

『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)の著者、成田奈緒子が提唱する脳育てのメソッドをイラストでわかりやすく紹介!
発達が気になる、不登校、すぐキレる……どんな子も「生活環境の改善」で劇的に変わります!

脳を育てることは、子どものよい育ちに直結します。
脳の育ちを意識した関わり=ペアレンティングを実践し、生活習慣・親子関係を改善すれば
何歳からでもどんな状態でも、元気でかしこく思いやりのある子にぐんぐん成長していきます。
脳科学の知見も交えながら、家庭、学校・園でかんたんに取り組めるトレーニングを紹介します。

【子どもの脳を育てる6つのペアレンティング・メソッド】
①ブレない生活習慣を確立する
②調和が取れたスムーズなコミュニケーションを図る
③親子がお互いを尊重して協力しあう体制をつくる
④怒りやストレスへの適切な対処法を共有する
⑤親子が楽しめるポジティブな家庭の雰囲気をつくる
⑥親はブレない軸を持つ

感想・レビュー・書評

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  • よい育児書でした。
    著者を知ったのは実は別の本なのですが、そちらはまだ予約待ち。予約時に存在を知ったこちらの本の順番が先に回ってきました。

    本書によるとペアレンテイングとは「ただの育児というニュアンスではなく、脳を育てる順番とバランスを強く意識して、親が子どもに生活の中で関わっていくということ」だそうです。
    「いっしょに暮らす大人自身の『物事の捉え方』『発する言葉の内容』『子どもに見せる表情』『子どもとの遊び方』など、すべての関わりが子どもの脳の育ちに影響する」ということで、親がとにかく笑顔でポジティブな言動をすること。それを日々、子どもに見せ続けることが子どもの良い脳を育てていくというものでした。

    根拠として、脳の仕組みや発達順序などの分かりやすい説明が添えてあり、なるほどそうなのかと思わせられます。
    まず最初に育てるべき脳は「からだの脳」、次に「おりこうさんの脳」の育ちが始まり、最後に育つのが前頭葉を用いて人間的に論理思考を行う「こころの脳」。からだの脳で起きる喜怒哀楽の情動を前頭葉につなぎ、自分が取るべき最良の言動を選ぶのだそうです。

    この発達の順番はとても大切で、始めに育つ「からだの脳」は言わば家の1階部分。ここがしっかりと育っていないと、その後に育つ2階部分が乗ったときにバランスが悪くなり、ちょっとしたトラブルに対応できなくなってしまう。なるほど、この理屈を今まで見聞きしてきた子どものトラブルに当てはめるとしっくりくる気がします。
    つまり親はまず「からだの脳」をしっかり育てる必要があるわけで、そのために何が大切かということが丁寧に説明されています。

    本書で繰り返し書かれているのは、親がとにかく笑顔でポジティブな思考を持つこと。子どもの脳には可塑性がある故、手遅れということはなく育て直しが可能だという心強い一文もありました。
    ただしすぐに結果を求めてはダメで、どう育ったかが分かるのは脳の発達が完成する18才以降。
    長いなぁ、と思ってしまったけど、子どもには「毎日の積み重ねが大事」だの「すぐ諦めるな」だの言ってるのは私たち大人です。ならば私の場合はあと15年弱、我が子と一緒に毎日を笑顔でポジティブに積み重ねていこうじゃないかと思わせてもらえました。

    最後に強く心に残った文を。
    「親がとにかく頑張ってしなければならないのは、最初は何もできない状態で生まれ、親からすれば『心配』の塊である子どもを、必死で『信頼』して『信頼』の分量を増やしていくことで、少しずつ手を放していき、いつしか、自分で考えて行動する力を子どもの脳に多く作っていく」

    本書に書かれていることを実践し続け習慣化できれば、子どもの脳だけでなく、私自身も良い方に変われるかもしれません。
    ちょっと気を付けてみよう、頑張ってみようと前向きな気持ちになれる育児書でした。

  • 子供の年齢的に今は土台を作る時期ということで、下記のことを意識したいと思った。
    ①夜が明けたら目が覚めて、活動能力全開モードになる脳をつくる
    ②日が沈んだら眠気が訪れ、自然に寝付く脳をつくる
     入眠儀式をルーチンワークに
    ③朝に空腹を感じ、体に必要な栄養素をむだ・むりなく選んで食べられる脳を作る。
    ④身体反射能力を高めて命の危険から身を守れる脳をつくる

    ⑥睡眠時間が生活の軸、そこから生活時間を引いた残りを勉強時間にする。
    ⑦食事中のテレビ、就寝1時間前のメディアはNG

    とは言ってもどうすればという感じではある。

    あとは親の声掛けや笑顔が重要なので、やはり親の心の余裕は大切そうだと思った。

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著者プロフィール

成田奈緒子(なりた・なおこ)

発達脳科学者。小児科医・医学博士。公認心理師。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。
1987年神戸大学卒業後、米国セントルイスワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。2005年より現職。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもにいいこと大全』(主婦の友社)など多数。

「2023年 『改訂新装版 子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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