人類を変えた素晴らしき10の材料: その内なる宇宙を探険する

  • インターシフト
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772695473

感想・レビュー・書評

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  • 身の回りある色んな物質。
    日頃あまり意識されないそれらの素材のお陰で今の我々の生活が成り立っていることを改めて教えてくれます。
    専門的な話は一切なく、科学に疎いライト層でも楽しめる内容かと思います。


    以下、ネタバレ含む個人的に面白かった話のメモ。



    コンクリートクロス、水を加えることで好きな形に固められる。
    チョコレートを食べる方がキスよりも良い。(心拍数の上昇が長続きする)
    シリカエアロゲル、世界で最も軽い固体かつ断熱性に優れている。モヤっとした不思議な見た目をしている。
    フルグライト。天然のガラス。雷によって精製される。
    これまで発見された最大のダイヤモンドはヘビ座のPSR J12719-1438というパルサーの周りを回ってあて、地球の5倍の大きさ。地球で見つかった最大のものはサッカーボール大。
    これまで様々な人工心臓が開発されてきたが、そっくり付け替えた後の寿命の最長記録は1年である。

  • 鋼鉄、紙、コンクリート、チョコレート、フォーム(泡)、プラスチック、ガラス、グラファイト、磁器、インプラントの10の材料が生まれてきた歴史やこれらが何故人類に欠かせない物になっているかが解説されている。

    今はこれらが我々にとってはベストなのだか、新たな発見や研究開発によって50年後や100年後には全く想像もつかない材料が適合しているのかもしれない、

    歴史としても面白い読み物だし、「ガラスが透明なのはなぜ?」「スプーンには味がないわけは?」「カミソリの刃はどうしてきれなくなるのか?」「世界一軽いモノは?」など、科学を囓るといった意味でも興味深い。

  • 思っていた内容ではなかった。

    材料の紹介というよりは、材料にまつわる歴史とエッセイと言った感じ。物性や応用についてはあまり書かれていない。

    内容もちょっと。
    「鋼鉄」の章でステンレス鋼が主題になっていたりしたし、
    「コンクリート」と「セメント」という言葉も使い分けて欲しかった。
    インプラントとチョコレートは材料ではないと思う。

  • 全11章からなる別々の話として読むと、とてもおもしろい章も、さほどでないなぁという章もある。鋼鉄、コンクリート、ガラス、グラファイト(炭素)といった章はたいへん面白く読んだ。「材料」というタイトルに忠実に、あまり混じりっけのないものについて書かれた章ほど、焦点が絞れているのではないか。身近なものから説明を起こして、ものの性質を科学的な根拠でもって説明するというコンセプトは、たいへん成功していると考える。

  • 身の回りにある素材なのに、いかにそのものを知らないかということが分かった。特にガラスに関する章はためになった。「ガラスは固体ではない」というのは聞いていたが、その理由はよくわかっていなかったが、この本でようやくその意味が分かった。地球の5倍もあるダイヤモンドの惑星があるなんて初耳でした。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784772695473

  •  身の回りにある単純な材料を題材にして、そのものの構造や作用、歴史的観点から人類に与えた影響まで紐解いていくオタク的なノンフィクション。サイエンス版「銃・病原菌・鉄」と言った感じか?
     著者が物質の成り立ちを愛してやまないのが行間から伝わってきて、理屈っぽい理系オタクにはたまらないくらい面白い。ああこの人は本当にこの学問を愛しているんだなぁといった事例や口調は、テレビでムツゴロウさんやさかなくんを尊敬と愛嬌を込めて見ているのとおなじ感覚を思い出させた。
     読んだ後は、身近なもの(例えば今画面が写り込んでいる液晶モニタ)に対しての見方が少し変わるかもしれない。愛情と理屈っぽさが入り混じった、少し複雑な見方に、だけれどもw

  • 原子レベルの話かと誤解して購入したところ、あくまで、「材料」の話。もう少し材料の原子、分子を解説して欲しくもありましたが、人の生活の中でいかに元素ではない「材料」が重要かということに、深く納得をしました。
    それぞれの材料にまつわる著者のエピソードもからめたユーモラスな文体に、いつしか「材料」が愛しくなってきます(翻訳がすばらしい!)。
    著者の材料愛がひしひし、な本で気持ちよかったです。

  •  今回の本は、日常生活を送るのにないと困る材料をテーマに取り上げた本だ。「すぐそこにある材料の内なる宇宙へ」というように、材料一つとっても物語がある。そんな物語を紡いでいったこの本は、多くのベストブックを獲得して、全米ベストセラーにもなった。

     取り上げられた材料は次のものになる。

    1. 鋼鉄
    2. 紙
    3. コンクリート
    4. チョコレート
    5. フォーム(泡)
    6. プラスチック
    7. ガラス
    8. グラファイト
    9. 磁器
    10. インプラント

     ここで甘いものが気になるものにとって欠かせないチョコレートだ。チョコレートのあの食感はどうやって生まれるのか?一見どこで買っても同じに思えるミルクチョコレートは地域色豊かだった。チョコレートが病みつきになりちょこっとでは済まなくなる理由が述べられている。読んでいると食べたくなってきた。

     読んでいて驚いたのは、あのろうそくの炎から思いもかけない材料が見つかったことだ。それがなにかは読んでのお楽しみ。

     解説で本書出版プロデューサーが「(略)何のこともない材料が、著者の手にかかると輝きを帯び、含蓄のあるモノ語りを始める」と述べているように、モノの物語は読み進めていくとやめられない止まらない。

  • 取り上げられている材料は、「鋼鉄」、「紙」、「コンクリート」、「チョコレート」、「フォーム(泡)」、「プラスチック」、「ガラス」、「グラファイト」、「磁器」、「インプラント」。いずれもあまり難しい記述はなく、著者の実体験等も交えつつわかりやすく書かれている。なお、「インプラント」日本では一般には歯へのものでイメージされるが、本書では人体に埋め込まれる人工物一般についてである。あと、「チョコレート」については「人類を変えた」ほどの材料とは思えず、本書内でも「チョコレート」の独特の触感が生まれる理由、中毒性がある理由等が解説されているだけである。それと、著者が材料に興味を持つきっかけとなる「事件」が冒頭に記載されているが、そのようなことから「材料」を専門とする学者になったとはちょっと驚き。それがどのような事件なのかは、ぜひ本書を手に取って確認していただきたい。

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著者プロフィール

ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)の「材料と社会」学部教授。
同大のインスティテュート・オブ・メイキング所長。
『タイムズ』紙による英国で最も影響力のある科学者100人に選出。
英国王立協会マイケル・ファラデー賞を受賞。
前作『人類を変えた素晴らしき10の材料』は、多数の年間ベストブックを獲得し、全米ベストセラーにもなった。

「2021年 『Liquid 液体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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