青い骨

著者 :
  • 五月書房
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本棚登録 : 45
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772704168

作品紹介・あらすじ

死んでしまったものの、失われた痛みの、ひそやかなふれあいの、言葉にならぬため息の…ふと眼をあげて遠くを眺めたい気持ちを起こさせる六つの短篇。

感想・レビュー・書評

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  • 心臓移植をテーマにした彼の作品を数冊読んでいたので、他の作品も読みたいと思い手に取ったのがこの短編集。
    著者自身、若いころに結核を患い死と対峙したということで、この初期の頃の作品たちには「死と生」が満ち満ちている。
    彼の作品は、とにかく取材し倒して、ドキュメント?と感じてしまうようなもの・・・という印象が強いのだけれど、おそらくこの短編集に収められたものは、彼自身の闘病中の心境を元に書かれたものなのかもしれない。

    もっと他の作品も読んでみたい。

  • かなり独特な作品。
    どの作品も重苦しいが、必ず想像を絶するような奇異な結末が用意されている。
    心に湿った黒い影が広がっていくような残酷な結末。
    吉村氏は残酷なシーンの描写が卓越している。
    辛い闘病生活の向こうに、このような世界が垣間見えたのだろうか。

  • 短編もなかなかのものだ。
    長編ばかり読んできたから。
    芥川賞になかなかたどり着けなかったようだけど、作家を断念されなくて本当によかった。
    賞が取れないと作家生活ができない社会も過酷だ。

  • とにかく文章に惹かれました。
    淡々としている一方描写は繊細で、読みながら静かに風景が浮かぶようです。

    虚ろな明るさ

  • 吉村昭の短編集。

    初期の作品であるが、
    完成度の高さには感服せざるをえない。

    ぞっとするような人間の営みを
    臭いがしてくるような描写で描いてある秀作。

    なんで星四つなのかって、
    個人的には読んでいて気持ちの良くなるものではないので・・・。

  • 絶版の文庫版で読了。初めて意識して読んだ吉村作品。吉村氏の作品の核はこれなのではないかと、他の作品を読むにつれ思うようになりました。

  • 吉村さんの作品はいろんな感情が表現される短編も、情熱が伝わってくる長編も好きです。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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