- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772704168
作品紹介・あらすじ
死んでしまったものの、失われた痛みの、ひそやかなふれあいの、言葉にならぬため息の…ふと眼をあげて遠くを眺めたい気持ちを起こさせる六つの短篇。
感想・レビュー・書評
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心臓移植をテーマにした彼の作品を数冊読んでいたので、他の作品も読みたいと思い手に取ったのがこの短編集。
著者自身、若いころに結核を患い死と対峙したということで、この初期の頃の作品たちには「死と生」が満ち満ちている。
彼の作品は、とにかく取材し倒して、ドキュメント?と感じてしまうようなもの・・・という印象が強いのだけれど、おそらくこの短編集に収められたものは、彼自身の闘病中の心境を元に書かれたものなのかもしれない。
もっと他の作品も読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かなり独特な作品。
どの作品も重苦しいが、必ず想像を絶するような奇異な結末が用意されている。
心に湿った黒い影が広がっていくような残酷な結末。
吉村氏は残酷なシーンの描写が卓越している。
辛い闘病生活の向こうに、このような世界が垣間見えたのだろうか。 -
短編もなかなかのものだ。
長編ばかり読んできたから。
芥川賞になかなかたどり着けなかったようだけど、作家を断念されなくて本当によかった。
賞が取れないと作家生活ができない社会も過酷だ。 -
とにかく文章に惹かれました。
淡々としている一方描写は繊細で、読みながら静かに風景が浮かぶようです。
虚ろな明るさ -
吉村昭の短編集。
初期の作品であるが、
完成度の高さには感服せざるをえない。
ぞっとするような人間の営みを
臭いがしてくるような描写で描いてある秀作。
なんで星四つなのかって、
個人的には読んでいて気持ちの良くなるものではないので・・・。 -
絶版の文庫版で読了。初めて意識して読んだ吉村作品。吉村氏の作品の核はこれなのではないかと、他の作品を読むにつれ思うようになりました。
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吉村さんの作品はいろんな感情が表現される短編も、情熱が伝わってくる長編も好きです。