小笠原諸島に学ぶ進化論 ―閉ざされた世界の特異な生き物たち― (知りたい!サイエンス) (知りたい!サイエンス 81)
- 技術評論社 (2010年6月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774142685
作品紹介・あらすじ
小笠原諸島は「東洋のガラパゴス」と呼ばれ、独自の自然環境や生物進化論の見られる島である。チャールズ・ダーウィンが進化論を発想するにあたって重要なきっかけを作ったとされるガラパゴス諸島と、太平洋を挟んで対極に位置する日本の小笠原諸島では、本家ガラパゴスに勝とも劣らないすばらしい自然が見られる。では、小笠原の自然へようこそ。
感想・レビュー・書評
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父島で見られるボニナイトがなぜ珍しいかといえば、5000万年前のプレートの沈み込み初期を伝えるもので、地上ではここ以外でなかなか観察できないからだそうな(第2章 小笠原諸島の歴史と生物の由来 の 2-5 島弧の形成)。植物、昆虫、貝類の進化で島症候群がよく当てはまるのが分かった。アカポッポ サンクチュアリを作るときも工事現場に伐採してはいけない木を伝えたり、気を付けることが多い。巨大小笠原島仮説(清水善和『森林科学』第34号 (2002))は面白いけどそれぞれの段階の年代はいつ頃かな。
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一度も陸と繋がった事がない海洋島における進化論を解りやすく説明している。
何故小笠原の生態系が壊れやすいのか、今の小笠原の環境は
どのように人間活動の影響を受けた結果なのか、具体的な理由が分かってためになった。
小笠原の生物種は、実は大陸に比べ非常に少なく、単純な生態系であると知り、どうりでガイドブックに載っている生き物が少ないわけだと納得した。
地味な生物ばかりなのも、海洋島ならではらしい。
やはり小笠原の素晴らしさは、海に潜らないと、十二分に堪能することはできないだろう!