- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774153261
感想・レビュー・書評
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各種将棋ソフトの作者自身がアルゴリズムについても具体的に説明している。それは大変面白いが専門的だ。むしろ、アルゴリズム開発の一般的手法についてわかりやすく書かれている。将棋プログラムは作者より強い。つまり、作者が具体的な手筋を教えたり、強さを判定したり、エンバクを見つけたりはできない。そんな中での開発手法がとても興味深いので、アルゴリズム開発の人は一読をおすすめする。
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コンピュータが人間を破ったとしても人間の思考が破られたわけではないでしょ。
このやり方ならばすべての分岐を総当たりにすれば絶対人間は勝てなくなる。実際オセロやチェスはそうなっている、なりつつあるわけで。
人の思考をトレースしながらミスも犯して人に勝つ、そんなコンピュータができるのが望ましい。 -
清水女流王座を破ったプログラムを中心にそのアルゴリズムの基本を解説。序盤は定石を自動学習させる。中盤以降は7手先くらいの深さで刈り取りしつつも全探索する。其の際の評価は駒得や王手への近さ自陣の堅さなど無数のパラメータで行う。終盤戦は詰みを発見するアルゴリズムの実装で対応。中盤の局面評価と読みの深さが改善ポイントだがすでにあと数年で人間を超えるのは見えているのでプログラマー側からの一番面白い時期終わっているらしい。
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開発者達による,コンピュータ将棋ソフトの中身概説。手を読んで(探索),局面を評価し(評価関数),指し手を決めるというアルゴリズムの基本から,各ソフトの棋風まで,一般向けにしてはかなり詳しくためになる。2010年,2012年に行われた,人間とコンピュータの真剣勝負(清水市代女流王将vsあから2010,米永邦雄永世棋聖vsボンクラーズ)も収録。
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電王戦でコンピュータ優位を見せつけられた今となっては、控え目な表現はされているが、コンピュータ将棋の完全勝利宣言のように感じた。
「将棋や囲碁に代表されるような思考型ゲームにおいては、人間のような仕組みで機能して人間のように強いプログラムは、現時点では困難と私は考えている。その一方で、将棋においては、手の選択を人間のように考えて行うという興味深い研究もなされている。ただ、このような試みが実を結ばずとも、いずれチェスのように、数の暴力を頼りにコンピュータが人間に追いつき、追い越してしまう日がきてしまいそうである」(p148 Bonanza作者保木邦仁)。
「コンピュータ対人間も人間対人間の熱い勝負であり、コンピュータが勝ったらぜひ「偉大な、人間の勝利」だと思っていただきたい」(p288 橋本剛)。
「誰にでも勝つコンピュータを作るよりも誰とでもいい勝負をするコンピュータを作るほうがはるかにむずかしく、また価値も大きい。人工知能の例題としてのコンピュータ将棋はほぼ役割を終えつつあると言える」(p294 松原仁)。 -
コンピュータ将棋が名人に勝つのはもう時間の問題で、そのタイミングを間違えないことが、みなの幸せだ、という。コンピュータ将棋の進歩はすさまじく、そしてその具体的な進歩についての記述が集まった本。女流王将に勝った「あから2010」には、たくさんの将棋ソフトが協力(本当に、実際に協力)し、また人も対策を一生懸命考えての結果だった。
将棋やアルゴリズムに興味が無いと、ちょっと読みづらいかもしれないけど、とてもおもしろい本。名人を破った後の世界を考えなければね。 -
4〜5
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取りあえず、今までのコンピュータ将棋のまとめ。各プログラム(激指・YSS・Bonanzaなど)の考え方など。
しかしMICROという雑誌でコンピュータ将棋が取り上げられ、bitで松原さんの論文を読み、なんだかんだでやってみたいなあと思って大学に入り、結局挫折。そのあとの経過がなんか凄い。
Bonanzaがやはりコンピュータ将棋を変えたと思いますね。