Excelでわかるディープラーニング超入門

  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774194745

作品紹介・あらすじ

「なぜディープラーニングが形を区別できるのか」が見えてくる!Excelと対話しながらしくみを解き明かす画期的な超入門書!初めてのAI学習に最適!難しい数学計算はExcelに任せてディープラーニングのしくみを動かしながら理解できる!

感想・レビュー・書評

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  • 畳み込みニューラルネットワークの仕組みを
    Excelを使って表現・説明してくれている本。
    手段だけでなく、何故その仕組みが生まれたのか?
    といった経緯についても触れてくれていたおかげで、
    CNNについての理解がすごく深まりました。
    行列についても改めて理解出来たのは良かった。

    私は良書だと思います。

    【勉強になったこと】
    ・大きさを固定した2つのベクトルが似ているとき、
     その内積は大きくなる。

    ・最小二乗法とは、平方誤差を最小にすること。

    ・ステップ関数は、動物の神経細胞に忠実なモデル。
     ただ滑らかでないがゆえに、微分法が活用出来ない。
     代わりに活用するのがシグモイド関数。

    ・隠れ層は特徴を抽出する役割を担う。

    ・ニューラルネットワークでは、入力パラメータが
     増えれば増えるほど隠れ層と入力層との紐づけが
     増えてしまって計算が出来なくなる。

    ・畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、
     入力データを5X5等のグループに小分けにし、
     一度に隠れ層と紐づける数を減らすことで、
     処理が出来るようにしたもの。
     小分けにしたデータで全体をスライドして読み込み、
     特徴を算出する必要が出てくるため、隠れ層も
     結果は表形式で表現されることとなる。
     この表形式の出力結果を畳み込み層と呼ぶ。
     ざっくり言うと、1人ずつと向き合うのではなく、
     中間管理職を置いて聞いていくスタイル。

    ・畳み込み層を更に分割し、分割したエリアの
     特徴を最大・平均等の手段で表現したものを
     まとめた結果をプーリング層と呼ぶ。
     これにより、更に次元数を落とすことが出来る。
     =処理が速くなる。

    ・プーリング法のいろいろ
     最大プーリング:対象領域の最大値を採用
     平均プーリング:対象領域の平均値を採用
     L2プーリング:対象領域の平方和の平均値を採用

    ・シグモイド関数と同様、ステップ関数に似てて、
     微分計算が簡単になる関数としてランプ関数がある。
     このランプ関数を活性化関数とするニューロンを
     ReLU(Rectified Linear Unit)と呼ぶ。
     なお、ランプ(ramp)=傾斜路という意味。

    ・シグモイド関数とランプ関数では、
     適合度がほぼ同じになるので、
     計算の速いReLUを利用することは効果的といえる。
     ただし、1以上の値も取り得るランプ関数を採用して
     いる関係から、0 or 1のステップ関数から離れている
     =実在の神経細胞モデルから離れてしまった分、
     結果に対する解釈が難しくなってしまっている。

  • ビジネスユーザーがディープラーニングの概要を理解するのに適している。やったことを振り返りながら進んでいくので、身につき易いかと思う。

  • ディープラーニングの具体的なしくみについて理解したい人におすすめ。

    【概要】
    ●ディープラーニングの概要
    ●ニューロンモデル
    ●ニューラルネットワークのしくみ
    ●畳み込みニューラルネットワークのしくみ

    【感想】
    ●理数系の大学を出ていない自分がニューラルネットワークのしくみを最もよく理解できた本であった。これほど納得できる本は今まで見つけられなかった。
    ●入力層、隠れ層、出力層の中をどのような流れで数値が扱われていくか、とてもよく理解できた。また畳み込みニューラルネットワークとの違いもよく理解できた。
    ●Excelを用いて実際にデータの流れを見ていけるよう説明されているが、必ずしもExcelを使わなければ理解できないものではない。

  • Pythonでなくても、原理のトレースはできるし、Excelのほうが、並行処理のイメージをつかみやすいかもしれない。

  • タイトルのとおり、Excelを用いてディープラーニングについて学ぼうという書籍。
    なんとなくの知識は持っていたが、実際に自分でプログラムとかしたことのない自分のような読者が少し手を動かして、動作原理を実感するのにはちょうど良い内容であると思う。
    例題として、○×の判断と、1,2の判断について紙面が割かれている。
    前者は隠れ層が1層、後者は2層用いて畳み込みニューラルネットワークを構築しており、後者をExcelで作りこむのは少々面倒なので、作業までは行わなかったが、まず前者の○×の判定だけでも、おお!っという感動は味わえた。
    ソルバー機能を使ったことが無いと設定など少し戸惑うかもしれない。
    ニューラルネットワークをイメージとしてつかむにはちょうど良い書籍だと思う。

  • エクセル、恐るべし!
    ディープラーニングとは、白黒などに二分できない曖昧な領域を識別できる(動画の中の人や猫の区別)技術のこと。
    そして、AIによるディープラーニングの基本理論はエクセル関数7つで解説できる。
    といっても、利用される関数自体がむつかしいのですが、その理屈はわからなくても、やり方だけ覚えれば使いこなせるはず・・こうした機能がエクセルには標準装備されているというのが驚きです。
    入門編としては利用価値の高い内容です。

  • 良書なんじゃないですかね。解析、判断を可視化して簡単な数式で表現して、excelで実装してみる、と。
    およそこれまで仕事で使ってなかった関数がたくさん出てきてなんか楽しかった。
    結局は力技で、細かい判断の積み重ねで大きな判断をするのだけど、細かい判断の単位が細かすぎるのでマシンのパワーによって、実現性が高まったというのもよく分かる。

  • たった7つのExcel関数で教師あり学習を学べる本。かなり丁寧な説明で、本当に何も知らない人向けの良い入門書だと思った。ただ、教師なし学習にどう繋がっていくかということや参考文献を示して欲しかった。

  • 請求記号 007.1/W 35

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著者プロフィール

涌井 良幸(わくい よしゆき)
1950年、東京生まれ。東京教育大学(現、筑波大学)理学部数学科を卒業後、教職に就く。現在はコンピュータを活用した教育法や統計学の研究を行なっている。
著書に『「数学」の公式・定理・決まりごとがまとめてわかる事典』『高校生からわかるフーリエ解析』『高校生からわかるベクトル解析』『高校生からわかる複素解析』『高校生からわかる統計解析』(以上、ベレ出版)、『統計学図鑑』『身につくベイズ統計学』(以上、技術評論社)、『統計力クイズ』(実務教育出版)、『道具としてのベイズ統計』『Excelでスッキリわかるベイズ統計入門』(以上、日本実業出版社)などがある。

「2023年 『数学教師が教える やさしい論理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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