おかめ ひょっとこ

著者 :
  • くもん出版
2.92
  • (1)
  • (2)
  • (5)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 63
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774323701

作品紹介・あらすじ

「私は日本一のしあわせ者だと思います。」
貧しい村にうまれ、波乱万丈の人生を送ってきた主人公みね。米寿を迎えた時に、笑顔でそう語った彼女の強さとは何か?

貧しい村には、昔から鬼が現れるとされ、天災や病気、飢えなどといった脅威を村人へもたらす。そんな恐ろしい鬼が、夫の勇助が住むさらに山奥の貧しい村へと嫁入りしたみねの前にもたびたび現れるようになった。
みねが苦しい時には、両親がはじめて自分のために作ってくれた「おかめ」「ひょっとこ」のお面を取り出してみる。母ちゃん・父ちゃんの顔を思い出しては、元気をもらっていた。
夫婦でどれだけ働いても暮らしは楽にならないのだが、五人の子どもとともに日々生活を送っていくのであった。
そして、勇助が五十七歳になったとき、みねの前には最も恐ろしい鬼が現れることとなる――。

困難を乗り越え、前向きに生きることができる人間のつよさを、最上一平さんの、読者によっていろいろな捉えかたや感じかたができる余韻のある文章と、細やかな絵の中に迫力を感じさせる陣崎草子さんの絵が子どもたちへ語りかける絵本です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 貧しい村に生まれ苦労して生きてきた主人公のみねさん。悲しみや苦しみ(=鬼)に飲み込まれそうになった時、両親が作ってくれたおかめとひょっとこの面をつけて踊って乗り越えてきた。米寿の今では沢山の子供、孫、ひ孫たちに囲まれて幸せ。というストーリー。
    良いお話だけど、子どもにはちょっと難しいかな。

  • 子が十人とはなかなか今の時代からするとすごいな

  • 鬼=不幸や辛いこと、或いは病気や死など。そう言うのが頭にないと、本当のストーリーが入ってこない。
    幼稚園児の息子に読み聞かせしたが、きっと本来の物語の内容はわかってないかな。小学生になって読んだら、そう言う背景がわかるかも。
    鬼を探したり、おかめとひょっとこのお面かぶって踊るシーンでは楽しんでいたので、園児でも楽しめると思う。けど、息子には少し早かったので☆は2つ。

  • 両親が作ってくれたひょっとことおかめのおめんを心の支えに苦しい生活、悲しみを乗り越えていく様子に心うたれます。

  • 鬼とは何だろう。
    単純な妖怪の鬼ではないように思う。
    貧しさ、苦しさ、悲しさそのようなものを鬼としてあらわしているのか。
    昔話と思いきやそうでなく、一気に現代風になるのですごく驚きます。
    でも、明治大正昭和平成と生きてきた人たちは、こんな感じに周りが移り変わってきたのかもしれません。
    そして、鬼は妖怪としての姿を持たなくなりましたが、やっぱりそこかしこにいる。
    それを退散させるのが、おかめひょっとこなんでしょうね。


    小学生にはあまりにも観念的過ぎて難しいかもしれません。
    ということで評価2です。大人向けなんじゃないかな。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1957年山形県生まれ。児童文学作家。読み物の作品に『ぬくい山のきつね』(新日本出版社/日本児童文学者協会賞、新美南吉児童文学賞受賞)、『じぶんの木』(岩崎書店/ひろすけ童話賞受賞)、絵本の作品に『たぬきの花嫁道中』(岩崎書店/日本絵本賞受賞)、『いのちがかえっていくところ』(童心社)、『すずばあちゃんのおくりもの』(新日本出版社)他多数。

「2023年 『じゅげむの夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

最上一平の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×