- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774326900
作品紹介・あらすじ
――どんなに思ったって、願ったって、祈(いの)ったって、母はあたしを好きにはならない――
『家族を描くならここまで書きなさい…と、いとうみくにガツンとしかられた気がする』児童文学作家・安東みきえ氏
『「家族」から逃げている自分に気づく。みんなが幸せでいられる距離って本当に難しくて、苦しい』紀伊國屋書店新宿本店 新宮修子さん
『友だち、家族、そして母親の愛。葛藤(かっとう)した日々を過ぎれば、きっと前を向いていけると感じさせてくれる作品』クレヨンハウス子どもの本売り場 馬場里菜さん
『「子どもはどうしてこんなに健気なのでしょう。痛くて痛くて涙なしでは読めませんでした。いつのまにか夢中になって読みました。』MARUZEN&ジュンク堂書店池袋本店 市川久美子さん
『愛されていない相手との暮らしは本当につらい。このことから逃げられない子どもたちはどれだけいるでしょう。現代に必要な物語だと強く思います』MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 森口泉さん
感想・レビュー・書評
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読んでいてとても苦しくて辛くなった。
中学生の日和は、母親から笑顔を向けられたこともなく、妹の可愛がりようと違うことにずっと気になっていた。
激しい虐待があるわけではないが、母親の感情のない顔を毎日見せられるなんて、どんなに辛く悲しいことだろうか。
後半からは、母親が日和を愛することができないのは、自分が小学生の頃に妹を亡くしたことが原因かと言っていたが…
では妹は違うのか?
妹よりも日和の方が亡くなった妹に似ていたからなのか…。
同じ家で暮らす父親も妻が日和に愛情を持てずにいたことに気づきながらも目を逸らしていたが、塾を経営する友人に指摘され苦悩する。
なんとかしなければという思い、家族は壊したくないという思い。
母と娘の苦悩を間近かにして父が放っておくことなく向き合ったことに救いはあった。
姉妹の愛情に差をつける…とかは見ていて苦しい。
児童小説でありながらなんとも切なくて悲しくて苦しい話で涙がとまらなかった。
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一度捨てて、捨ててそこから築きなおす関係もあるのかと思った。
「母性」の振れ幅や、社会的な圧力も怖いと思った。
妹に向ける母性にも歪んだものを感じた。
親も親として成長していかなくてはいけないのか。 -
50分くらいで一気読みでした。
日和は母に愛して欲しくて愛される努力をしている、母は愛したいけど愛せない話
日和目線で書いてあるのと、愛子目線でかいてあるのがあって凄く分かりやすい!
泣けます… -
主人公の中学生の心の変化や状況がよく伝わりました。
やっぱり私は人は人の中でしか育たない!が主題に入っている物語が大好きなようです。
主人公を取り巻く人がいい味出しています -
視界をにじませながら、一気に読んでしまった。
あんまりにもつらくて、くるしくて、胸がぎゅっと締め付けられた。
家族ってなんだろう。
いろんな人がいるからいろんな家族の形があったっていい。
でも、家族に愛されないのはつらい。
役割や関係性にとらわれすぎてしまうとダメになってしまうのかもしれない。
最後が前向きだったのが救い。 -
中一の日和は、母に愛されていないと感じていた。そして、愛されたいと心から願っていた。けれども、日和が母を喜ばせようとしても、ただ母の気に障るだけ。そんなある日、電話口で泣いている母をみかける。母もまた娘を愛せない自分を責めているのか?
母との関係に悩む子の葛藤と成長を描く。