牧野富太郎: 植物の神様といわれた男

著者 :
  • くもん出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774332000

作品紹介・あらすじ

「一つのことに打ち込む尊さを学ぶのに牧野以上の人物はいないだろう」と言わせるほど、研究に打ち込むとてつもない情熱。「もっと知りたい」という探求心。わかるまで調べるあきらめない気持ち。本から得る知識だけでなく、自然のなかで観察し、学ぶ姿勢。西欧の百年遅れといわれた日本の植物学を推し進める行動力。まわりの人たちの支えからうかがい知る富太郎の人間性。
子どものときからの好きな植物を追い求め、生涯を通して研究をやりとげる牧野富太郎の人物伝です。

感想・レビュー・書評

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  • 4年から。好きなことを追い続ける富太郎。若さまである富太郎を周りが応援してくれるのは、時代でもあり、富太郎の真っ直ぐな夢に堅実に向かう姿の力でもある。たくさんの苦難の中、描かれている通りに前を向き続けていたのか人間らしい苦悩ももう少し見たいと思ったが、テンポよく歩んだ道を読み進められるのも児童向けであるからだろう。

  • ぼくも植物が嫌いじゃないし、見るのは好きだけど、富太郎とは「好き」の次元がちがう。愛がちがう。富太郎は、身体が弱くても、びんぼうでも、あきらめないでのりこえて、研究を続けたすごい人だと思う。
    でも、一番苦労したのは、すえさんで、妻になってからずっと大変だった。周りの人の助けがなければ、富太郎は研究はできなかった。いっしょうけんめいだけど、あまり考えない感じの富太郎より、すえさんたちの方がいい。天国のおばあちゃんは、富太郎のかつやくを喜んだかもしれないけど、岸屋がつぶれちゃったのはさびしいと思う。
    ぼくは、周りの人が助けてくれても、がんばれないし、感謝できない。かっこ悪い。富太郎を見習いたい。
    それから、ぼくは本当に好きなものが見つかっていないから、見つけるためにいろんなことにちょうせんしたい。
    植物があるからこそ人は生きていける、ということを改めて思った。これから、「雑草」って言わないで、ちゃんと名前を知りたい。(小5)

  • 本作を読んで、植物に対する見方が完全に変わりました。人間は、植物がないと生きていけません。
    終盤で、太平洋戦争のことにも触れています。戦争は被害にあった人数に意識が向きがちだか、自然の破壊も伴っている。人間だけでなく、偉大な植物たちも殺している。そういう意味でも戦争はやはりやってはいけないことだと思いました。

    富太郎の、植物をもっともっと知りたいという好奇心の強さが、読んでいてとても伝わってきました。
    同時に、妻の寿衛など周りの支持がないと、やりたいことを貫くのは難しいとも思いました。周りの人に感謝しなければなりません。
    生涯のなかで、お金が失くなったりなど、様々なピンチに襲われます。でも、そんなときいつも誰かしら周りの人が富太郎に手を差しのべる。まさに「渡りに舟」だと思いました。頑張ってやっていると誰かが見ていてくれる。そんなことを思いました。
    この本は様々な教訓を示している作品だと思います。牧野富太郎。こんな人物がいたことは一生忘れられません。いい読書体験ができて本当に良かったです。
    最近の自分は植物に対してすごく目が向くようになりました。
    富太郎さん、ありがとうございます!

  • 生まれた時代がよかったとも悪かったとも言える読後感。
    たしかに日本の植物学の第一人者であり、本人は幸せで悔いなく生き切った人生だったが、その熱意ゆえに犠牲になったものも多かっただろう(あらためて朝ドラの脚本と俳優陣がすばらしい…)。

    しかし好きなことを突き詰め、他人と比較せず、幸せを常に感じられる牧野の姿には誰しもが憧れるだろう。
    自分もせっかく好きな仕事に就けたのだから、研究心と誇りを持ちたい、と思えた。

  • 朝ドラの主人公モデルの伝記のようなもの
    わかりやすかったし、これからのドラマの展開も楽しみ。

  • 「「一つのことに打ち込む尊さを学ぶのに牧野以上の人物はいないだろう」と言わせるほど、研究に打ち込むとてつもない情熱。「もっと知りたい」という探求心。わかるまで調べるあきらめない気持ち。本から得る知識だけでなく、自然のなかで観察し、学ぶ姿勢。西欧の百年遅れといわれた日本の植物学を推し進める行動力。まわりの人たちの支えからうかがい知る富太郎の人間性。
    子どものときからの好きな植物を追い求め、生涯を通して研究をやりとげる牧野富太郎の人物伝です。」

    ・ウチダヒロコさんの絵がいいなぁ!表紙がすごく爽やか。そしてワクワクする。
    富太郎さんの情熱はすんごい!が、奥さんと子どもたちが食べるものに困るほどの貧乏・・。
    それでも富太郎さんに文句を言わず、むしろ採集した植物の管理を必死に手伝う。す、すごい・・。
    ・お金の援助や大学で研究をさせてもらうなど富太郎はいろんな人のご縁にめぐまれ支援してもらった。それって、ラッキーすぎる!とは思うけれど、人が良くて真面目でいつも一生懸命コツコツがんばる、そんななんだか応援したくなる人柄だからこそなのかな。
    ・富太郎は身体の弱い子だったが、強くなってよかった。喘息持ちだったが植物の花粉とかは大丈夫だったのか^^山歩きで鍛えられたかな。
    ・牧野富太郎の植物図鑑はぜひ見てみて。ほんと美しい。そして見やすい。

  • 「植物を愛する心は、命を愛する心だ。」
    牧野富太郎氏の生涯を子供でも読みやすく綴られた本。ただ、1ヶ月にわたる台湾の植物調査の詳細を知りたかった。この本での記載には「たくさんの成果がありました」とだけあり、台湾での実生活や調査の内容、成果については触れていない。調べてみると所々、エピソードが端折られているよう。牧野富太郎氏の生涯を大まかに知りたい方におすすめ。

    私が牧野富太郎氏の立場だったら、良く育ててくれた祖母の願いを叶えてあげたいと思う。著書の本のように言うなれば、許婚の猶(なお)さんと結婚して佐川で作り酒屋の主になり、代々先祖から受け継がれてきた岸屋を切り盛りしながらも、日々草花を採取し分類を楽しむ生活。1年間に1〜3回、1週間から1ヶ月の休暇を取って分類に勤しむ期間を作る。大きな商家だから沢山の本と沢山の植物標本も置けたかも。地道だけど、現実的な方法。決して趣味としてではなく、今で言う「副業」のようなものである。

    でもそこが私のような凡人と牧野富太郎氏のような植物の神様といわれる人の違いなのだろう。私も幼少期から植物が好きだけれど、とにかくこの方は植物に対する情熱の掛け方が断然違う。「好きこそ物の上手なれ」と言うような言葉が似合うお人だ。歳の離れた妻の寿衛さんの内助の功もある。本当にすごい。見習わなければ。

  • 表紙と挿絵のイラスト、そして本文で使われているフォントが現代風で魅力的に感じて、思わず手にとる。植物学者の伝記だけあって、緑を基調とした装丁…とてもきれい。
    この本から受けた牧野氏のイメージは熱意、探究心、行動力が素晴らしい人。きっとお話できる機会があったなら、とても楽しく植物のことを語ってくれるのだろうな。そして、忘れてはならないのがなりふり構わずに研究に没頭する牧野氏をそばで支えた人たち。それほどの魅力があった人だったということなのか…。それにしても、祖母の浪子さんは本当のところはどういう心境だったのだろう。

  • 知ることの楽しさを再認識した

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著者プロフィール

横山 充男
高知県に生まれる。四万十川のほとりにひらけた町で育つ。『少年の海』で児童文芸新人賞、『光っちょるぜよ!ぼくら』で日本児童文芸家協会賞(ともに文研出版)。ほかに『少年たちの夏』、『水の精霊』シリーズ(ともにポプラ社)、『鬼にて候』シリーズ(岩崎書店)『ラスト・スパート!』(あかね書房)、『自転車少年』(くもん出版)など多数。

「2022年 『牧野富太郎 植物の神様といわれた男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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