- Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
- / ISBN・EAN: 9784775522950
作品紹介・あらすじ
マサダの地下で石棺を発見し、かつてそのなかにキリストの血で記された福音書があったと知ったエリンたちは、ミイラの手のなかにあった鉤十字の記章から手がかりを探すために、ルーン神父の仲間であるサンギニストがいるドイツの修道院へと旅立った。サンギニストの戦士たちの協力を得て湖に沈む地下壕へと向かうが、福音書を狙う追っ手-ストリゴイたちの追跡はゆるまなかった。一方、マサダの事故で生き残ったトミーの前に、謎の少年が現れた。その少年から、呪いともいえる恐るべき秘密をトミーは聞かされ…。
感想・レビュー・書評
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ファンタジー色の色濃い作品。私の好みを言えば、シグマフォースシリーズの方が好きだ。
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ジェームズ・ロリンズとレベッカ・キャントレルによる新シリーズ第一弾下巻。
すでに続巻が発売されている状況なので、本作だけで終わるわけではないと思っていたが、何とも歯切れの悪い終わり方でやや拍子抜け。そもそも、上巻で癌を患っていたトミーが何故一人だけ生還し、かつどんなことが起きたのか、ということだけでなく、エリンやジョーダンらにどう絡んでくるのかも、結果的に置き去りにされている。
その割にはルーンの過去やエリンとジョーダンの恋模様には必要以上にページが割かれている印象で、ジェームズ一人の作品ならこれほど散漫な印象にならなかったかもしれないが、共著ということで作品全体のバランスが悪くなったのではないかと思わざるをえない。
それでも、ジェームズ特有の展開のテンポの良さや、事実と虚構の織り交ぜ具合、歴史的事実を巧みにストーリーに取り込むあたりは先を読む手を止めさせない魅力がある。
個人的にはあの怪僧の登場はイマイチかなあと思ってしまう。ただ、続巻以降でどんな風に話が展開していくのかによってはこの設定が生きてくるのかもしれない。