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朗読:佐々木 健
戦友の策略にかかって捕虜となり、長年にわたる虐待で身体は曲がり、かつての恋人は自分を陥れた戦友と結婚し、その戦友は華やかな出世を果たす。
祖国の旧友たちはみな自分は戦地で死んだと疑わず、自分も今の惨めな姿を知られるくらいなら背筋の伸びた姿で堂々と死んでいったと思われていたい。
それでも、人はふるさとの景色を恋しく思う。ふるさとの野原をひと目見て死にたいと思う。
……ヘンリー・ウッドの打ち明け話、淡々とした口調だからこそ、より深く心に突き刺さる。