- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776202844
感想・レビュー・書評
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講演でのQAをエッセイ風にまとめたもの。含蓄が深い。
・日本は人口が減る。それでも(労働効率は上がっていくので、)GDPは減少はせず、同じかむしろ増えるであろう。とすると、人口が減っているので経済格差が強まる傾向がますます大きくなる。
・経営者は不安に陥る事は良くある。不安は何かと分析したが、結局分からない。無くならないものだろうという事だけ分かった。なら、友達になろうと「不安坊主」という名前を付けてみた。それでイメージの中で「不安坊主」の頭をなでるようになりました。
・ほんの100年ほど前までここは自給自足だった。女性たちは嫁入りすると小川沿いに麻を植え、畑の傍らに綿の種を蒔き、妊娠すると糸を撚り、機を織って着物を縫い、子供の誕生に備えた。当時の人々の知識量の豊富さは現代人を凌駕しているかもしれない。それでも現代が100年前と比べ物にならないほど繁栄を遂げているのは、知識の総和である。100年前は1人1人の知識量と社会全体の知識の総和がそれほど変わらなかった。分業の深化が企業の富に繋がっている。
・小さい事務所を借りて仕事を始めた時、最初にやったのが職能給制度を作る事だった。対処を間違えるともっともエネルギーを奪われる分野が人なので、早めの対処が必要だと考えた。
・私の「戦略」の定義はライバルからやられたら”アチャー”と思う事を自分がやる事。そして戦略3つに戦術を7つ、計21通りの打ち手を考え全て実行する。この行動量の方が戦略の要諦かもしれない。
・ビジネスは遠足ではなく冒険。だから、同業者組合に行くのをやめてみよう。
・税理士事務所で脱サラしたとき、入念に市場調査とポジショニングを行った。中堅企業向け、零細向けなど差もなく同じ事務所が皆同じサービスを提供していた。
・求められる人と活躍する人。戦後は工場労働者、今は介護士が求められているかもしれない。それと活躍する人は、全く違う。
・経営者の最も重要な仕事は「見たくない現実」を見る事。
・二念を継がない(白隠禅師)。目の前で起きたことにすぐ判断を下さず、一度留保する事。
・「人々は様々な可能性を抱いてこの世に生まれてくる。彼は科学者にもなれたろう。軍人にもなれたろう。小説家にもなれたろう。しかし、彼は彼以外のものにはなれなかった。これは驚くべき事実である。(小林秀雄)」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
会計の話だけかと思いましたが、ビジネスの基本について書いてありました。それは利回りに関してです。より小さい投資をしてより早くより大きな利回りを上げるのがビジネスの基本なんですね。あとは会社にお金を残す方法が書いてあります。経営者でなくても読む価値大ありです。
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2006/6/11*203*133