- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776206507
感想・レビュー・書評
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日本経済及び世界経済に対する、著者の考えがよく分かる本。経済の基礎的事項から話がはじめられており、とてもわかりやすい。大きな政府を目指すとの意見には疑問もあるが、ほとんどの意見には同意。説得力がある。印象的な箇所を記す。
「夜10時頃、大蔵省記者クラブに「午後11時半から緊急記者会見を開きたい」と申し入れたところ、幹事社から「なに言ってんだ。会見は前日までに言ってくれなければ困る。11時半では誰もいない」と猛抗議を受けたのには参りました」
「いまの円高は、確実に進行するでしょう。そして、円高を阻止する有効な手段は見つかりません」
「政策のディテールがわかるのは官僚です。ディテールを押さえなければ、よい政策は生まれません。国民のために身を粉にして働く優秀な官僚は大勢いますから、官僚機構をもっと使いこなさなければいけません。また小泉政権が竹中さんを起用したり経営者を諮問委員にしたように、民間人ももっと使わなければいけません」
「政治家は素人でよいのです。素人なのだから、もっと玄人の意見を聞くべきです」
「たとえば事業仕分けは、私から言わせれば「政治主導」という名の「素人主導」です。事業仕分けで指摘されるような問題は、財務省主計局の官僚であればわかっています。パフォーマンスばかりが目立ち、どんな成長戦略で経済を引っ張るか、5年後10年後にどんな日本にするかという政治主導の議論は聞かれません」
「やはり政治家が強力なブレーン集団を作り、公開の議論を深めて、政策の大枠をまとめていく必要があります。いま民主党に痛切に求められているのは、国家戦略を立案し実行する司令塔機能を確立して、日本の国をどの方向へ持っていくかという大きなビジョンを掲げることでしょう」
「私はときどきかなり率直に「あなた方がやっているのは、課長補佐か係長レベルの話ばかりだ。局長や次官レベルの話が全然ないじゃないか」と文句を言います」
「欧米では、大学を出て就職し、企業を二つ三つ移ったあと、30歳くらいでビジネススクールやロースクールに入って勉強し、再び新しい会社に入るというパターンがあります。こうして経験を重ね、本物のプロフェッショナルになっていくのです。そんな生き方が日本の企業でも一般化していくと思います」
「正しい大局観を持つために大切なことの第一は、歴史や物事の来歴を知り、過去から現在に至る大きな流れをしっかりつかむことです」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 世界同時不況がすでに始まっている!/第2章 アメリカ、ヨーロッパは「失われた10年」に突入した!/第3章 中国、インドが世界の中心で“繁栄”を叫ぶ!?/第4章 「1ドル70円」時代で、どうなる?日本経済/第5章 日本の選択「榊原プラン」/第6章 ピンチをチャンスに変える!「世界同時不況」時代の生き方 -
「分かっちゃいるけど・・・」どうもならないこの国。自分がしっかりするしかないか。
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「2時間で未来がわかる!」というだけあって、本当にざっくりしか書かれていない。よく見たら「日本経済最新入門」と、ちゃんと書かれていた。本文にある「大局観をつかむ」という点において、入門編としては分かりやすいかもしれない。なので、評価は★★★に。
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自分が為替を意識し始めて、80円~120円の間を行ったり来たりしているし、
今の日本の状況を見ても円高になる要素がないので、
今後は100円近くに戻っていくものだと、思い込んでいた。
ところが榊原氏の考えでは、円高ではなく、ドル安が今後進行すると
断言している。
日本のマスコミも日本を悪く言うだけでなく、日本の良さをアピールして
日本をいい方向に導く役割をになって欲しいものだ! -
灯りが消され、夜が暗くなってきたアメリカ
回復に最低10年かかるアメリカ経済
ヨーロッパも構造的な大不況に襲われている
現在の状況とそっくりだった「1870年型大不況」
「自動車の時代」は終わりつつある
「モノ」から「サービス」の時代へ
リーマン・ショックの打撃は、なぜ日本が最大だったのか
順調な中国経済が日本に好景気をもたらしていた
日本を襲う「デフレ」「円高」「株安」の三重苦
「デフレ」の見方が間違っている
デフレを恐れる必要はない
アメリカ、ヨーロッパは失われた10年に突入した!
中国、インドが世界の中心で”繁栄”を叫ぶ!?
「1ドル70円」時代で、どうなる?日本経済
目次をざっとまとめてみました、
ミスター円のコメントはとても分かりやすい。
日本のガラパゴス化はとても心配です、
世界標準に遅れをとっている分野が
あまりにも多すぎて・・・ -
これから円高になるとのこと。逆に円高だから有利なものがあるので、
それをきちんとメリットとして、考えること、また現金主義をつら抜いて債券や、現金を保持することを解いて、株とか、投資は借金をしてまでするものではないと言っていますので、それは確かに荻原さんも同じことを言っていますね。
現在、k401で株を投資していますが、いつ頃復活するのかな?