- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776400844
作品紹介・あらすじ
ぼくは、こどもだったころ、冬になると銅版画家であるおじいさんのところによばれて、年に一度のスタジオセールのお手伝いをした。少年とその祖父を案内役に、絵を描き、原画を彫り、プリントする手順について、わかりやすく説明した絵本。
感想・レビュー・書評
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アーサー・ガイサートは、アメリカの銅版画家。
絵本「デザートタウン」「リバータウン」を読み、絵心がない私でも、この方の絵はどこか独特なところがある、きめ細かな線、落ち着いた優しい色合いは何なのだろう…と感じていた。調べたところ、「銅版画」であることを最近知った。
※銅版画は凹版画のひとつ。銅版画でしか表現し得ない点や線、マチエール(肌合い、質感)がある。(ネットより)
本書は少年とその祖父を案内役に、ガイサートが自分の仕事を紹介したもの。銅版画の制作工程がよく分かる。やってみたくなる。
この絵本、よく考えると面白い。
仕事や作業場、また少年と祖父が作る銅版画絵そのものを、「"銅版画"で描写している」ってことが。画中画というのかな…面白く感心してしまった。
この少年の大事な仕事は、刷り上がった版画に色を塗ること(後から色を塗ることも初めて知った)。
単調な仕事だから、ぼーっとしてあれこれ考え事をしてしまう、それは絵の中をさまようということ。
帆船でホーン岬を周ったり、気球に乗って自分の町を見下ろしたり、深海ダイバーになったり、ジャングルにも行ったとか。夢がある。そのガイサートの絵も見事。
こんな素敵な絵に色塗り作業をしていたら、絵の世界に行ってしまうだろう。やるなら私も色塗り担当がいいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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「職業紹介」に。 -
[墨田区図書館]
先日読んだ、「ふわふわブイブイ気球旅行」から借りてきた同じ著者の本。
この方自身の特徴ある絵は、数冊読んで、その著者紹介を読むことで、「どうやら銅版画家として描かれているからのようだ」ということが判明してきたところにこの本も発見。もしかしたらご自身の紹介かとおもったけれど、おじいさんと孫?の"銅版画家"としてのある日常を切り取った、物語風の絵本。でもきっと、このおじいさん、もしかしたら孫こそがご自身の実際の歴史なんじゃないかな?読者との距離を縮めようとしてではなく、自分の幼少期を描いている気配を感じた。 -
おじいさんとぼくの、年に一度の大仕事、年末大売出し。
どちらかが欠けても仕事にならない。
おじいさんとの信頼関係や流れる時間、この工房の漂う空気感がたまらない。
プレス後の紙をめくる瞬間の、おじいさんの眉間のシワや口角、ぼくのワクワクした表情も共感。
本棚に保存版がほしい。 -
その名の通り、銅版画家の仕事場や仕事が事細かに紹介されている。この絵本の繊細な絵は、すべて銅版画というのが素晴らしい。
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銅版画家の仕事場と刷り方を描いた作品。
とても興味深い!!
銅版画への色付けは新人の作業なんですね!
最後の『銅版画のできるまで』がひじょうに興味深い☆