- Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784777905799
感想・レビュー・書評
-
文章いい。ちょっと結びが感傷的にすぎるきらいはあるが。アフター春樹、文庫本エッセイでは彼の名前出ていたはず。
モノクロの美しさ。プリントに関するこだわりが文庫エッセイにあった。デジタルではなくフィルム。ライカ。このあたりはむずかしい。モノクロ撮りたくなる。想像力の余地がある。
P27の子カワイイ。やわらかい光、風に軽くなびく髪がいい。井川遥に似てる。三脚に立てたローライフレックス二眼に手を添えてこちらに向かって微笑んでいる。
スナップのおもしろさ。プリント見てみたい。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
桜の色は淡くカラー写真では白に写ってしまうほどで、心に思い描く桜の色と違う。そこには新学期の記憶、春の到来、花見の思い出などの思い入れは映らない。だから各々が色をつけられるように桜はモノクロで撮る。あなたの撮りたいものが悲しみだとか、懐かしさだとか、驚きだとか、温もりだとか、恋に変わりそうなときめきたとか、名前を決めかねているようなものなら、モノクロで撮るのがいい。色によって見えにくくなっていたものや、感じてはいたのに見えていなかったものがきっと写真に残るはず。
-
四季に分類して、写真とともにエッセーのように自由に思いを綴る。
始めての海外旅行では飛行機の中だけでフィルムを撮りきったが、今ではホテルに着くまで一度もカメラを取り出さなくなった。今の海外生活も慣れてきた。だから、彼の飛行機の中で撮った一枚は印象的だった。ライカと「草枕」とビール。高揚感と意思と緊張を感じさせる一枚。写真は面白いね。個人的に不思議だったことがある。それはなぜ白黒が好きなのかということだ。この間大金かけて買ってしまったアンリカルティエブレッソンも当然時代柄白黒フィルムだったし。彼はこう解釈する。自分がモノクロで撮るのは、何色の文字でかいてあるかよりも、何が書いてあるかが大事だから。何かはっきりとした名前を持っているなら(キリンとか香港とか)カラーがいい。でも、名前を決めかねているものなら(哀れみだとか、懐かしさとか)、きっとモノクロの方がいいと。自分もそうだったのだろうか。カチッとスイッチで切り替えて、モノクロ写真にするとき、何かの感情を写真に込めようとしたのだろうか。中国に来て始めてもったカメラ。見直すときっといろんな気持ちが残っているだろう。同窓会も似ているかもしれない。いつか過去を振り返るとき、どうせ戻るならその日ではなく卒業アルバムまで戻りたいのだ。 -
文庫版から少し大きくなって登場です。新聞での連載がベースなので時々?ってなるときもありますが、四季を通して撮影したくなる気持ちが盛り上がります。こういうストーリーと写真が撮れたら楽しそう。