- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784777923748
感想・レビュー・書評
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まさか奈津さんが。。。
でも3冊読み終わってすごい満足感。閻魔、奈津、夜叉とそれぞれの物語が終わってしまった。
また楽しみな若い人も出てきたし、もっと読みたいけど、しょうがない。
と思えるほど面白い本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛、最高の一冊。
時は昭和32年。当たり前に存在していた闇も消えつつあり、彷徨い続ける閻魔にも過酷な時代だ。
この巻は奈津サイドからのあの瞬間の想いが描かれていて二人の言葉にならなかった想いが織りなす愛のハーモニーを見せられた気分。
どれだけの時が流れるたびにどれだけの愛が想いが届かぬ場所で溢れ出していたのだろう。
見つけて!ここにいるから…真の願いを感じるほど心の臓はキュッと悲鳴をあげ、涙腺はユルユル。
改めて人って、大切な人の想いを胸に仕舞いこんで一緒に生きているんだよね。
100年愛と涙、見届け気分は最高! -
本来、第1作のみで成り立っていて話を、商業的な成功により、むりくり話を延命して続編を描くというのはよくある話で、だからどうこう言うつもりはないが、2作を描き上げる状態で最終巻をイメージしたのかどうかは分からないが、第2作よりは話としてはまとまったものとなっている。主人公のもとを去ったヒロインの意図は猫は死にざまを晒さないということだけではなく、同じく呪いを受けたいたという展開は、むりくりながらも、話の結末としては、時代を超越したカップルに望ましいエンディングを与えたものと思われる。また、同じく別の意味での腐れ縁のカップルにも、相応しい結末を与え、話を終えているので、読後感は決して悪くない。
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【概略】
不老不死となる「鬼込め」をそれぞれ施した二人・宝生閻魔と宝生夜叉。お互いに仇敵とみなしつつも、不老不死であるが故に味わう寂寞を共有する同志のような距離感をもっていた。「奈津さんは沖縄にいる」という言葉を夜叉から受け、閻魔はアメリカ統治下の沖縄へ。閻魔にとって特別な存在である奈津もまた、閻魔のことを想うが故に、とある一線を超えることとなり、それが閻魔を避ける原因となる。
写真・映像といった記憶媒体の発達、そして閻魔と夜叉の存在感の大きさがゆえに、「不老不死」を求める組織の魔の手もまた、閻魔と夜叉に忍び寄る。時計がとまってしまった男達と、時計を戻したいと願ってしまった女性、そして、進みゆく時計をとめたいと願う者達の念が絡み合うシリーズ最終巻、ここに完結。
2020年10月15日 読了
【書評】
いやぁ~~~~~!!!!読後感、爽やかな風味!!!若き日の宮沢りえさん出演のポカリスエットみたいだった!!!!・・・ってのは冗談。むしろなんというか・・・「ふぅ・・・」といった余韻にちょっと浸っていたい感じの、静寂な空間。
第一巻は、SF要素と彫り師(+時代背景)によるダークファンダジー感に溢れてて、それが人気の要因で。逆に第三巻は、もちろん設定は変わらないのだけど、「凛とした愛・人間像」ですよ主題は。第三巻を読み終えたあとは、逆に第二巻がいかに助走期間として成功していたかがわかる。第二巻を読んだ直後にはわからない感覚が、そこにはあった。
第三巻が醸し出す静寂な空間の大きな要因は、奈津さんの手紙による状況展開。奈津さんの幼少の頃から(本作における)現在に至るまでの閻魔への想い、そして奈津さんから見た閻魔の立ち振る舞い、それがまた湧き上がる彼女の想いと、それを凛として押さえつけようとするこれまた彼女の意志の強さ、この衝突が、なんとも静寂に、でも、確実に火花を散らしていたよ。刀鍛冶に鍛えられる刀みたいに。でも、凄く静かなんだよ。
この第三巻をさらに面白くしたのはライバルであり兄弟子である宝生夜叉という立場の人間味の部分、これまた夜叉に対する奈津さんの「三日月堂さん」という呼称が拍車をかけてるよね。そして、皆藤浩一郎!読みながら、「鋼の錬金術師」のホムンクルス・プライドをイメージしてしまった。キャラクターが立ってるんだよね。奈津さんの手紙だけでは、それは「愛テイスト」が強くなり、恋愛小説のようになってしまう。「鬼込め」なんていう中二病が喜びそうな素材で始まった本作品、やはりダークファンタジーのテイストは大事にしないと!だよ(笑)
不老不死の閻魔に対し、加齢により時に妹、時に姉、母、祖母・・・そんなクラスチェンジを重ねた奈津さん、「今のわたしは・・・宝生閻魔にとってなんですか?」という質問を閻魔に。一番奈津さんが聞きたい返答が帰ってきたよ。目頭熱くなったよ。
「誰も気づかないぐらい・・・本当に小さく、本当にちっちゃい・・・梵字・・・手の平に入れようかな」なんて思わせてしまった、不治の病・中二病を今もなお患っている自分にとっては、とても楽しい読書だった(笑) -
読み終わってしまった・・・作者曰く「和風ファンタジーらしき娯楽小説」です。
幕末の動乱期から始まり、現在まで。
時代背景もおいしいし、何より「鬼込め」とい設定が面白い。
3.巻では戦後から現代にかけてが時代背景です。近代になるにつれ“闇”が無くなり、闇より人のほうが怖い時代。
それでも“闇”に惹かれるんですね。
これまで焦らされ続けた、奈津と周(あまね)の恋も見事に完結しました。心地よい読了感。
中村さんの著書は、この「裏閻魔」シリーズしか知りません。
もっとこの人の小説が読みたい!です。
※「裏閻魔」をご存じない方は、必ず1巻から読んでください。
私のレビューはネタバレしませんので、気になったら是非!
1巻レビュー
http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/477791870X
2巻レビュー
http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4777921417 -
大人気『裏閻魔』シリーズの完結篇です。
3部作を締めくくるのに相応しい内容となっています。
1巻から気になってしょうがなかったアレコレに決着がついて、これ以上ないエンディングなはず。 -
202.10.26