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  • 太田出版
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本棚登録 : 31
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778312855

感想・レビュー・書評

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  • 3・11と福島第一原発の事故から半年経過し、エコノミーとエコロジーという特集が組まれた。

    柄谷行人は、資本主義が宿命的にもっている限界性を論じた。

    槌田劭は、原子力発電所を裏支えする科学主義と戦後日本の金主主義などを論じた。

    安富歩氏は、エントロピー論の観点から原子力発電を巡る言説の擬似科学性が述べられた。

    現代社会の諸矛盾は、震災以後に突然表れたものではない、それ以前から潜在していた問題群が震災を期に、可視化されただけだ。

    今後の日本人が取るべき道が試されている。

  • たまにこういう雑誌読むと楽しい。

    見田宗介=大澤真幸の巻頭対談を読みたくて、でした。
    見田先生の発言自体は、3,4年前に聞いた最終講義の内容から変わっていない、延長線上のものだったように思います。

    楽しかったのは柄谷行人さんの『資本主義は死にかけているからこそ厄介なのだ』と題された講演。
    における、産業資本についての説明。

  •  見田宗介と大澤真幸との対談、宮台真司の特別寄稿などの内容。
     3.11大震災以後、〈「終わりなき日常」が終わった〉とする論が出てきたが、宮台真司はそれに対して〈「終わりなき日常」は永久に終わらない〉と言う。キーとなる概念は「自己の時代」と「様々なる意匠」と「スーパーフラット」。これらが要求してくる「自己のホメオスタシス」ツールを介して、震災や原発事故が体験される他ないと。
     実は震災以前から日本社会は「終わって」いたが、震災や原発災害を経てその認識が共有されるようになった。それでも「終わりなき日常」は変わらない。『とすれば、日本の「終わり」に「自己のホメオスタシス」ツールを介してどう向き合うべきか。それが重大問題です。』(p.114)と結んでいる。

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著者プロフィール

1941年兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授を歴任。1991年から2002年まで季刊誌『批評空間』を編集。著書に『ニュー・アソシエーショニスト宣言』(作品社 2021)、『世界史の構造』(岩波現代文庫 2015)、『トランスクリティーク』(岩波現代文庫 2010)他多数。

「2022年 『談 no.123』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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