- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778314453
作品紹介・あらすじ
人と人とがたやすくつながってしまう時代、はたして友だちとは何だろうか?永遠のテーマを名コラムニストが徹底的に考え抜きました!
感想・レビュー・書評
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読み終わって思ったのは、30代以上である自分の母親が「友だちの多さ」にいかに縛られいて、それを子供の自分に押しつけていたかと言うことだった。彼女はZの友だちの少なさを嘆き「お前が悪い子だから、友だちができないのだ」とずっと、言ってしまえば「今も」言い続けている。「まだ漫画なんか読んでるの!」と母親は言うが、それの「熱き友情」に毒されているのは、読んでいる自分ではなく、触れもしない彼女の方だ。いったいなぜそうなのか…でも話し合っても分かり合える気はしない。ただ自分は、やっとその呪縛から逃れることができそうだ
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思索
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友だちをテーマとした小田嶋らしからぬコラム。周りにドライな人達しかいないので、小田嶋氏が描く友だちを大事にする若者たちが実際に生息しているのか全く分からん。
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★男女間に仮託されている恋愛は絵空事に見えてその実、性欲という確固たる根拠を持っている。
★洋ゲーと呼ばれるアメリカ製のゲームは主人公視点のカメラで描写される事が多いが日本の場合は主人コンを含めた場面をカメラマンが撮影した設定の画像が多い。
★男である事子供である事ヤクザである事は三位一体。
★友達は自分が若く愚かだった時代を保存する密閉容器の様な物。
★酒を止めると酒場の友達とは綺麗に縁が切れる。夢から覚めた浦島太郎がどうして陸に上がってなお鯛やヒラメと付き合わねばならない?
★コーヒーで3時間話せる相手を友達と呼ぶ
★恋愛中の男女はなるべく頻繁に会いたいと願っている。双方が共に過ごす体験を前提として生まれる感情だから。会わない物同士は時間と共に疎遠になり、一度隔意を抱けば逢瀬を楽しまなくなる。
★日本では友達を数としてカウントする考え方の人間が出世する。派閥形成能力の勝利
★モテ期→必ずしもモテそうなスペックを揃えていた時期にモテるとは限らない。孤独を抱えている人間は同じ様に孤独を抱えている人間を誘引する。
★コラムニスは与えられたテーマについて自在な距離で料理するのが仕事で、告白はしない。 -
小説っぽいタイトルだが、「友人」をテーマにしたコラム本。全24章で構成されているが、各章の関連性は希薄で、どこかの雑誌に連載されていたものをまとめたような印象を受けた。メッセージを端的に述べるなら「友達はそんなに誇るものでもないよ」ということなのだが、序盤は特に昨今の人々の「友人が多い人のほうが勝ち組」という世間的な空気にかみついている感じが強い。ただ、あくまでコラムニストの文章なので特に発言内容に根拠があるわけでもなく、内容に浅薄さを感じるのが残念ではあった。
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人付き合いの苦手な著者が友情をメインとしたコラムを書いたらこうなる(斜めから見る)というお手本。
各章の偉人たちの名言にシュールな文言を付け足していてそれがツボにハマる時がある。
特に、ヘンリー・D・ソローの「友を探し求めるものは不幸である。というのは、忠実な友はただ彼自身のみなのであるから。友を探し求めたるものは、己自身に忠実な友たりえない」に添えて、愛と勇気だけが友達だったアンパンマンの孤独について考えたことがあるかね?
には、同じこと考えている人がいるなと共感できた。
恋愛時にいつからか、肉食系、草食系という言葉が使われていて判別できないモヤモヤがあったが、解消できた。食物連鎖でいうと女が、捕食対象になってるからだということ。 -
「友達論」ということであまり期待せずに読み始めたけど、切り口から深さまでとてもためになる。
友達がいないことが悪口になると思っているのはだいたい35歳未満の人だけ、友達が必要なのは子供のときだけ、など、なるほど納得してしまうことが出てくる。
中身が今の時代に会っているとは思わないが、友達の数が可視化されてしまったSNS時代だからこそ、こういう考え方を持つのも大事だなと思った。 -
著者にしては平凡。そんな気がした。友だちについて、ってけっこういろんなひとによって語りつくされている感があるので、斬新な内容を小田嶋さんらしく語ってくれるかと思ったけど。そんなに新鮮な驚きはなかったんだよなぁ。
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昔からコミュニティというものに抵抗感があり、共感する部分が多かったです。そのときそのときで付き合いは変えていいし、「あなたじゃなきゃダメ」みたいな暑苦しい関係は別にこれからも求める必要ないなと思いました。