原発ゼロ、やればできる

著者 :
  • 太田出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778316594

感想・レビュー・書評

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  •  小泉純一郎は、劇場型な手法をうまく使うことができる。自民党をぶっ潰すと言って、自民党の在り方を変えた。つまり、自民党は常に変わり続けてきた。本来野党がやるべきことを、とりあげて野党の存在価値をなくす。政治には利権が絡んでおり、その利権を手ばすことで国民の支持を得る。野党の方が保守的で、反対だけを掲げざるを得なくなった始まりが、小泉純一郎政治手法だと思った。まぁ。小泉政権の歴史的な評価は、きちんとすべきだと思う。でも竹中平蔵が嫌われて、小泉純一郎にはいまだに改革者に見られているポジションの取り方に感心する。
    まぁ。安倍晋三が亡くなることによって、オリンピックをめぐって電通の利権構造に検察のメスが入った。大きな転換を迎えた。ネットが主流になることによって、電通が落ち目になった。その落ち目を狙われている。次は、コロナ禍の中抜き業者のパソナなんでしょうね。嫌われ学者、竹中平蔵が逃げ出すのはよくわかる。
     首相を辞めて、あえて「原発ゼロ宣言」を出すのは、小泉純一郎手法なんだね。簡単に図式化できる課題に取り組む。小泉首相は、原発推進していたのは、知らなかったんや。原発推進派に3つのウソをつかれていたんや。オレは悪くないよ。だから、オレは、反省して原発ゼロを言ってんや。最初は、小出しに言い始めたことを、国民の支持を得られる課題と思って、本にまでしちゃったという感じなんだね。その軽さに、小泉純一郎の有り様が見える。
     原発推進派はウソついていた。2011年3月11日、原発メルトダウンで、3つのウソがバレたじゃないか。
    原発は「安全で、コストが安くて、クリーン」なエネルギーだと言っていたが、真っ赤なウソだった。
    メルトダウンして、放射能を撒き散らして、なぜ安全といえるの?スマイリー島、チェルノブイリの原発事故はあったとしても、ソ連やアメリカとは違って、日本は技術があるから安全なんですと言っていたのがウソだった。
     コストが安いと言っているけど、耐久年数40年と言っていたのが、いつの間にか60年になってる。安ければ、40年で更新すればいい。しかしできない。安くないからだ。そして、問題は、廃炉技術がない。運転停止して、廃炉するには金がかかる。廃炉がコストに入れてないから、安いのだ。
     核廃棄物の処理は、世界でも全くできていない。それも、コストに入っていない。さらに、原発を受け入れた地方自治体への交付金は、コストに入ってない。国策として、原発業務をやっているので、国が税金を使って、安くしているだけだ。明らかに、国民にウソついていた。これは小泉純一郎は首相の時にわかるはずなんだが。まぁ。小泉純一郎はウソつきの片棒を担いでいたのだ。
     クリーンって言ってるが、熱を取る部分だけであって、巨大な施設を作るので、C O2は排出しないと言ってるのはウソだ。原発1基つくるのに、1兆円かかる。福島のメルトダウン見れば、あれだけ環境破壊した。なんでクリーンといえるのか。
     これだけ、ウソを言い続けていたことを知って原発ゼロにいたった。こんな3つのウソがあるのに、原発を再稼働させていること自体、信じられない。
    だから、原発をゼロにして、自然エネルギーに変えればいい。総理が決断すればできる。もしいま総理だったら、原発ゼロにする。しかし、もう総理にはならないけど。
     安倍晋三首相に、原発推進派は嘘ばかりつかれているので、原発ゼロにしなさいよと言ったけど、安倍首相はヘラヘラ笑うだけで、外国に行って原発を売ろうとしている。こりゃダメだ。結局、原発利権があるからだ。次の首相がやるべきだ。菅義偉も岸田も無理でしたね。
     自然エネルギーは、日本の豊かな自然があるので、それを有効に使える。石油、天然ガスなど海外に委ねることになるので、初めてエネルギー自給率が100%になれる。日本は自然が豊かなのだ。
     ダムは、治水機能があって、実際の水活用の発電率は低い。これは法律があるから、変えればいい。ダムはもっと発電できる。原発は、テロの攻撃対象となる。破壊されたら自然の環境破壊と人間への被害は大きい。自然エネルギーは、テロされても影響は少ない。
     原発技術者は、廃炉技術は確立していないので、そのことは日本だけでなく、世界が困っている。核廃棄物の処理には、10万年もかかる。そのことの原子力技術者がいる。原発は、40年しか使えないのに、核のゴミの処理が10万年かかる。こりゃ。問題でしょ。
     という話だった。確かに、勇気ある発言だ。おもしろい。わかりやすい本である。
    この本で言われている中で、一番重要なのは、総理の決断でできるということかもしれない。

  • 首相時代写真集も出て、進次郎と珠投げしてた。何より恐ろしいのはその息子がアンケート「首相にしたい」1位になった事実/純一郎の資金源は不明だが、北朝鮮訪朝の翌日に「朝鮮銀行のペイオフ1年先延ばし」を発表したのは忘れない。要職の政治家で戦犯をまぬがれた又次郎から三代、政治資金は相続税の対象外だし彼のようなオポチュニストは使い勝手いいだろう/
     反原発派の決り文句「トイレのないマンション」などが繰り返されるが、最高責任者ともあろうものが
    「あんな危険とは知らなかった」は空いた口が塞がらない。白痴的に非道い。
     首相時代、無駄に信仰心もなくて中国との関係を悪化させたが、
     危険といえば中国の核ミサイルの脅威は意識しないでいいのか、金正恩も加わった/細菌兵器武漢肺炎の破壊力は原発事故以上でなかったですかね/中国の核ミサイルの脅威は意識しないでいいのか、金正恩も加わった/細菌兵器武漢肺炎の破壊力は原発事故以上でなかったですかね

  • 小泉純一郎がライフワークにしている原発ゼロ。
    理屈としては分かっているつもりだが、この本を読むと、ゼロにしなければ駄目だと実感させられる。
    ・原子力は安くない 地元の自治体への補助金(税金)コストを計算していない。
    ・廃炉にするには何と100年かかる。
    ・使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理工場 六ケ所村 プルトニウム再利用のもんじゅも挫折(1兆円)
    ・MIRAIを所有
    ・稼働について裁判所が判断できるのは、決められた基準にあっているかだけ。安全かどうかは判断出来ない。

  • ふむ

  • 東2法経図・6F開架:543A/Ko38g//K

  • 小泉元総理が原発ゼロを主張理由が明確に書かれていてとてもわかりやすかった。
    既得権益者を「抵抗勢力」として徹底的に叩く姿とても「らしく」て郵政民営化のときを思い出してしまった。
    主張するパワーと論理を兼ね備えたこういう政治家が早く日本出また出てくることを切に祈る。

  • なぜ原発は「不要な悪」であり、自然エネルギーが電源として代替すべきこと、つまり原発ゼロで自然エネルギー100%が日本の未来である主張を書いている。

    では、どのように変えていくのか、という点については、政治のリーダーシップ、つまりビジョンをはっきりと示し国民の信頼を得ることが原発ゼロの第一歩となる、と言っている。一方で現政権を握る安倍首相は、期間電源としての原発の維持、さらには海外輸出さえもやめるつもりがないために、今の首相による脱原発路線への転向は不可能という見解を示し、よって次期総理に対しての希望を託している。

    本としては一般の人びとにも読みやすいものとなっているが、個人的にはもう少し深堀して論を進めていただければと思った部分がいくつかある。上記の内容、特に原発の不要性や自然エネルギーへの転換の主張は多くの他の文献もあり、これまで様々な人が論じてきている内容である。首相を経験した著書だから言えること、政界から言えること、それらについて知りたいと思った。
    例えば、著者は「騙されて」いた件について、それは自分の勉強不足のせいだった、と述べている。しかし、国家で最も責任のある人物がなぜ「騙される」状況になっているのか、この状況、社会構造はどのように変えられるのか、また現首相がなぜ原発の非効率性を踏まえながらもその開発を進めるような路線をとる人物となってしまっているのか、どうしたら国民のために考えられるリーダーを生み出すことができるのか、もしくは間違ったリーダーが生まれた場合にどのような対処法を国民に備えておくことができるのか、といった点を問い返す必要があると感じる。

  • 説得力あり

  • どうしてこんなにも原発推進派を突き崩せないのだろう?

  • 原発ゼロの主張を整然と述べており、自らが首相だった当時は、経産省に騙されていた、と説明している。曰く、「あやまちて改めざる、これをあやまちという。あやまちを改むるに、はばかることなかれ」 資料が充実していて、主張とともにわかりやすい。 ただし、本当に自分の主張を広めたいなら、もっと低価格に設定すべきである。そのため、星はひとつ減じて4つ。

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著者プロフィール

1942年生まれ。厚生大臣、郵政大臣などを歴任、2001年に内閣総理大臣に就任。2009年の衆院選で二男の小泉進次郎氏を後継指名し政界を引退した。現在はシンクタンク「城南総合研究所」の名誉所長を務め、2011年の福島原発事故以降は「原発ゼロの実現」を掲げて全国で講演活動を行っている。

「2016年 『黙って寝てはいられない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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