- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779115776
作品紹介・あらすじ
EU加盟やクルド問題、ギリシャとの確執など、トルコが抱える諸問題はなぜ生まれ、どうなっていくのか。重層する歴史の縦軸を自在にたどって解き明かし、その行く末に思いを馳せる。トルコ知識人らのインタビュー13篇も収録。
感想・レビュー・書評
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『オスマン朝とはイスラム化したビザンツである』
イスタンブルを中心とした2大帝国に対して興味がつきない理由がここにあったのか…!と妙に納得した言葉だった。2つの帝国は決して断絶しているのではなく、ビザンツを内包したオスマン帝国が大きくなっていったのだと。
帝都がまだビザンチウムと呼ばれていた時代から説き起こし、2大帝国の時代を経て、今はトルコ共和国領となっているイスタンブル。それ故に抱えうる数々の宗教的民族的諸問題。
東は旧ロシアやイランも視野に入れ、ギリシアとの類似点を指摘しながら、問題解決に向けて歩を進めるトルコの今を描き出す力作。「西欧」的観点からでは指摘し得ないであろう、希望を感じる内容だった。
実際に好きで訪れているせいか、国内のオーソドックス教会に関する記述が大変興味深かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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トルコのこと勉強しなくちゃ!と思って手にしたけれど、基礎知識がない私にはもう少しざっくりとした内容の方が分かりやすいと思いました。
帰属する諸国や宗教が異なるなか、一つの国家を目指し取り組んできた現代トルコの姿を歴史とともにさかのぼれる一冊です。
トルコに住んで1年ぐらいたったら、もっと面白く読めるかもしれません。