怪談論 (フィギュール彩 34)

著者 :
  • 彩流社
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779170348

作品紹介・あらすじ

さあさあ、寄ってらっしゃい、
見てらっしゃい!

暑い日、怪談を聴いて背中がゾクッとして涼しくなる?
そんなわけはない。
開けた戸や窓の先には闇が広がった。夏は、人の住む明るい部屋と、
幽霊や妖怪の棲む闇とが交じり合う。
もちろん冬の幽霊や妖怪もいる。家には囲炉裏があって暖かだが、
外は寒く北風が吹き雪も降っている。秋の夜長の幽霊もいれば、
梅雨の幽霊もしっくりくる。
桜の下に幽霊は佇む。狂ったように咲く桜の木の根本には
死体が埋められているという話もある。
季節なんてどうでもいい。
いつの季節にも幽霊の出るロケーションはある。
怪談は「怪しい」「談」と書く。
「談」すなわち「話」だ。誰かが作り、文章にし、語って聞かせたりした。
すべてが創作ではない。
昔から語り継がれたモノや、そのときに起こった話もある。
話には説得力を持たせるための脚色が必要だ。
夏は他の季節よりいくらか演出効果があるのかもしれない。
そんな夏の夜、夕涼みの客の心を掴んだのは、爆笑落語でもなく、
しみじみした人情噺でもなく、どこか妖しく気味の悪い「怪談」だった。

著者プロフィール

いなだ・かずひろ
演芸作家、落語評論家。日本脚本家連盟、社団法人日本放送作家協会所属。
民族芸能を守る会相談役。作者部屋(歌舞伎作家のこと)同人。
日本大学芸術学部演劇学科卒業。タウン誌記者、コピーライターなど、
1986年頃より作家活動。演芸(落語、講談、浪曲、漫才)の台本、邦楽
(長唄、新内、琵琶など)の作詞、演劇の脚本、演出など。
2019年には初となる時代小説を上梓。
主な著書に『食べる落語 いろはうまいもんづくし』『恋する落語 男と女の
いろはづくし』『落語からわかる江戸の恋 ( いろは落語づくし)』
『落語からわかる江戸の旅 ( いろは落語づくし)』『昭和の名人 この一席』
(教育評論社)『落語が教えてくれる生活の知恵30』(明治書院)
『落語に学ぶ大人の極意』『水滸伝に学ぶ組織のオキテ』
『江戸落語で知る四季のご馳走』『江戸のいろごと 落語で知る男と女』
(平凡社新書)『そんな夢をあともう少し 千住のおひろ花便り』
『女の厄払い 千住のおひろ花便り』『豪傑 岩見重太郎』(祥伝社文庫)
『おやこで楽しむ講談入門』『おやこで楽しむ講談ドリル』
(宝井琴星監修、彩流社)『落語 演目・用語事典』(稲田和浩編、
日外アソシエーツ)等がある。

「2022年 『[増補改訂版]浪曲論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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