おとなのグリム童話: あまり知られていなかった作品を読む (フィギュール彩 91)

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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779170928

作品紹介・あらすじ

「メルヘン」(昔話)は古いけれど新しく、
これからおこる話でもあるのだ。

メルヘンはこれまで以上にますます、
人びとに好まれていくはずだ。
なぜなら、現実が厳しければ厳しいほど、
人びとのファンタジーが花開く場所は、
メルヘンの世界以外には残されていないからだ。
メルヘンは、生や死といった哲学的命題までも
簡単な表現で提示する。厳しい現実に哲学的命題
ともなると、メルヘンは大人のためのものとも
いえるのである。
物語をとおして子供は、自分が考えもしなかった
悩みや苦しみが存在することを知り、
同じ悩みを持つ仲間がいるのを発見する。
子供にとってこんなに勇気づけられることがあるだろうか。
わかりやすく子供たちに伝えていくこと、
それだけで魅力的なのだ。そして、つい先ほどまで子ども
だった大人もしかりである。
グリム童話でよく知られた作品といえば、
「赤ずきん」、「白雪姫」、「灰かぶり(シンデレラ)」、
「のばら姫(眠りの森の美女)」、「ヘンゼルとグレーテル」、
といった作品だ。
しかし、これら以外の作品で
あまり知られていなくても面白い話がたくさんある。
本書は、主にそうした作品を取りあげ、グリム童話を通して
メルヘン(昔話)の想像力の意味をさぐるものである。

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著者プロフィール

かなり・よういち KANARI Yoichi
獨協大学外国語学部を経て日本大学大学院独文博士課程満期退学。
その後、相良守峯教授の推薦により、新設の尚美音楽短期大学
専任講師。1987年、いわき明星大学教養部助教授、そのあと
同大学人文学部日本文学科教授。兼任講師は日本大学・獨協大学・
中央大学・跡見女子大学、大妻女子大学等歴任。
ポップカルチャー学会元会長。
著書に
『遠い記憶遠い国 ある旅の記録』
(彩流社、2020年)、
『おとなのグリム童話 あまり知られていなかった作品を読む』
(彩流社、2017年)、
『まだあるグリムの怖い話 「グリム・ドイツ伝説集」を読む』
(東京堂出版、2012年)、
『エロチックメルヘン3000年』(講談社、2008年)、
『グリム残酷童話』(講談社+α文庫、講談社、2001年)、
『グリム童話のなかのぞっとする話』(大和書房、1999年)、
『グリム童話のなかの愛と試練 メルヘンにひそむヨハネ伝説』
(弥生書房、1998年)、
『ドイツ・メルヘンのひそむ街で』(大和書房、1997年)、
『「赤ずきん」はなぜ愛くるしいか』
(ハヤカワNF文庫、早川書房、1996年)、
『グリム童話のなかの呪われた話』(大和書房、1996年)、
『グリム童話のなかの怖い話』(大和書房、1994年)、
『誰が「ねむり姫」を救ったか』(大和書房、1993年)、
『誰が「白雪姫」を誘惑したか』(大和書房、1991年)、
『誰が「赤ずきん」を解放したか』(大和書房、1989年)、
『あなたのドイツ語 授業のための文法講義ノート』
(佐々木稔との共著、大学書林、1985年)等がある。

「2022年 『賢治ラビリンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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