ファシリテーションとは何か―コミュニケーション幻想を超えて

制作 : 井上 義和  牧野 智和 
  • ナカニシヤ出版
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本棚登録 : 146
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779516153

作品紹介・あらすじ

ファシるか、ファシらないか、考えるために

ファシリテーションが要請される時代を私たちはどう読み解けばよいのか。
貴重なインタビューと解説、討論から、ファシリテーションがさまざまな現場で求められる社会に迫る。


だから,「そのファシリテーションを上手くやるノウハウを知りたいのだ!」という切実な思いをもって,本書を手に取ってくれた方もおられるかもしれない。残念ながら,本書は,ファシリテーションの意義を説いたり技術を伝えたりするための解説書ではない。解説書なら良いものがいくつも出ているので,「上手くやるノウハウ」を知りたい方はそちらを参照していただきたい。
私たちの関心は,むしろ,そうした解説書がさまざまな現場で求められる社会のほうにある。ファシリテーションの重要性が社会のいたるところで認識される時代,といってもいい。(「はじめに」より)

執筆者紹介(執筆順 *は編者)

井上義和(いのうえ よしかず)*
帝京大学共通教育センター教授
はじめに,第7章

中野民夫(なかの たみお)
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授/ワークショップ企画プロデューサー
第1章,第2章

中原 淳(なかはら じゅん)
立教大学経営学部 教授・大学院経営学研究科 リーダーシップ開発コース主査
第3章

牧野智和(まきの ともかず)*
大妻女子大学人間関係学部人間関係学科准教授
第4章,第8章,おわりに

中村和彦(なかむら かずひこ)
南山大学人文学部心理人間学科教授・南山大学人間関係研究センターセンター長
第5章,コラム1

田村哲樹(たむら てつき)
名古屋大学大学院法学研究科教授
第6章,コラム2

小針 誠(こばり まこと)
青山学院大学教育人間科学部教育学科教授
第7章

元濱奈穂子(もとはま なおこ)
東京大学大学院 教育学研究科 総合教育科学専攻 比較教育社会学コース 博士課程
コラム3

感想・レビュー・書評

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  • ノウハウ本ではなくファシリテーションをテーマにした学術書。
    そもそものファシリテーションの発端から考察していくことはややノウハウを期待していた部分もあるところから興味深いものになった。

    その前提を携えて、ノウハウ本にも目を通すことととする。

  • ファシリテーションを問う。
    教育社会学視点と学術的。
    章ごとの立ち位置がよい。
    学びほぐしの流れが近年のファシリテーションが求められることかもと思えた。
    ワークショップ(アクティブラーニング)の発展から必要性としてのファシリテーションの相関。
    ただ、そのファシリテーション主体性を奪う可能性もあり、議論が尽きないとも見える。
    ファシリテーションがまだまだ曖昧性の高い言葉と知った上で扱いたい。

  • 職場でさんざんファシリテーションという言葉を聞かされて、その意義とか技法も説明されたけれども、なんとなく皮相的な感があってうまく飲みこめずにいたところに、そもそもファシリテーションという概念がどういう背景をもって発展してきて、現在はどのような射程を見据え、そうしてそれらが社会学的にどのように解釈されるかということが、異なった立場の論者たちの言説によって浮かび上がってくるので、たいへん助かった。熟議民主主義の話とリフレクションの話が面白い。

  • ファシリテーションの概念拡張の変遷と、これからのファシリテーションの活用について書かれており、ファシリテーションの歴史的な背景を知るためにお勧めの1冊。

  • https://cool.obirin.ac.jp/opac/volume/887449

    千駄ヶ谷にもあります。

  • 教育社会学からの「ファシリテーション/ファシリテーター」への論考。
    五章のファシリテーション概念の整理が非常に有用。
    また最終章の、ファシリテーションとは「反省性の統治である」という牧野の指摘には痺れるものがあった。
    リファレンスも充実しており、ここから多くのファシリテーションに対する批評が生産されることになるのではないか。

  • (冒頭にも帯にも上手くやる技術やノウハウを書いた本ではないと書いてある。)
    ワークショップやファシリテーションの源流をたどり今日までの歴史を振り返る1〜5章は、かなり広い分野を横断して多くの文献や実践を参照し登場する人も多岐に渡るため情報量が多くて読むのがたいへん。一方で、この分野の領域横断的な特徴が良く現れているとも言える。
    知らない実践も多くあり、あの研究が繋がっているのかとか、あの方がここで出てくるのかという驚きもありつつ、ワークショップやファシリテーションに関わるひとは知れば得るものが多いと思う。

    最終章の08 反省性を統治する では、社会学の観点からリフレクションに関する深い考察が展開されていて興味深く読んだ。

  • ファシリテーションが必要とされる時代に、ファシリテーションをどう読み解けば良いのか。
    ファシリテーションを上手くやるノウハウ、ファシリテーションの意義を説いたり技術を伝えたりするための解説書ではありません。
    ファシリテーションの重要性が社会のいたるところで認識される時代に、改めてファシリテーションとは何かを問います。
    こういう本を求めていました。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業。広告会社の博報堂に就職。その後休職しカリフォルニア統合学大学院(CIIS)に留学。組織開発・変革やファシリテーション、ディープエコロジーなどを学び帰国。復職し、人材開発や企業の社会貢献、NPO/NGOをつなぐ仕事などに従事。愛知万博(2005年)では「地球市民村」を企画・プロデュース。明治大学、聖心女子大学、立教大学大学院の兼任講師、同志社大学政策学部教授を経て、現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院(2016年4月発足)教授。著書に『ワークショップ』『ファシリテーション革命』などがある。

「2015年 『講座スピリチュアル学 第5巻 スピリチュアリティと教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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