ロッキング・オン天国

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 91
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781614366

作品紹介・あらすじ

UKロックを異常に盛り上げてるやつがいる!90年代、それは「洋楽ロックの宴」だった。「極東スポークスマン」を自任し、雑誌とCDを売りまくった必殺仕掛人が、あの「濃密な7年間」のすべてを語る。

感想・レビュー・書評

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  • ジョン・スクワイアが脱退した時の署名活動に参加したなーなんてこと四半世紀ぶりにを思い出した。

  • ずっとブリティッシュロックが好きだと思ってきて、今でもそうだし、青春はここにある(ポール・ウェラー、ストーン・ローゼズ、ブラーににオアシス)と思ってきたのだけれども、この本をよんで、「増井修こそが俺の青春だったのだな」と理解しました。今でも記憶に残る楽しい記事を残していただけて、ありがとうございました、なのです。

  • 『ロッキング・オン』の2代目編集長だった著者が、ロッキング・オン時代を振り返った一冊。
    4年前に出た本だが、Kindle Unlimitedに入っていたのでいまさら初読。

    著者はロッキング・オン退社をめぐり、不当解雇を主張して裁判沙汰にまでなったのだが、そのへんのゴタゴタは本書ではスルーされている。

    全体に、未整理で雑然とした内容だ。
    しばしば話が脱線してあちこちに飛ぶし(突然、著者の趣味の熱帯魚の話がダラダラ続いたり)、マニアックな内輪話が延々と続いたりするし……。

    まあ、増井編集長時代の『ロッキング・オン』を毎月熱心に読んでいた層が対象なのだろうから、マニアックなのは仕方ないか。

    私自身は増井が編集長になったころに『ロッキング・オン』を読むのをやめたから、内容的にちょっとついていけない面があった。
    逆に、自分が読んでいたころの話は懐かしく、興味深く読んだ。たとえば――。

    《俺が入社した直後に、実写のフィルムにシルクスクリーンを使って加工した、ビジュアル的に凝った、美術誌っぽいというか、サブカル誌っぽい表紙を作ったことがあって、この時も突然 10%くらい売れなくなった。表紙のアーティストが当時すごく日本で人気のあったストラングラーズでも、ジャパンでも、デヴィッド・ボウイでもダメ、なんでなのって思いながら半年くらい続けてみてから、「もしかして、シルクスクリーンで加工してるのがよくないんじゃないの?」って気がついて、それを止めて普通の写真にしたら、その瞬間に売上も元に戻ったという》

    シルクスクリーンの表紙を、私もよく覚えている。「カッコいいな」と思っていた。なので、あの表紙のせいで売上が下がったというのは意外。

    《自分が編集長じゃなくなってからの『ロッキング・オン』は劇的に部数が減っていった。ちょうどこのあたりから「本が売れなくなる時代」に向かっての構造変化みたいなことが起きはじめていたんだろうし、何より洋楽のリアリズムがなくなっていったに違いない》

    本書の最終盤にそんな一節があるが、著者が編集長を務めた時代(1990年からの7年間)は洋楽ロック誌の黄金時代だったのだろう。

    各レコード会社にもロッキング・オンにもお金がたくさんあった時代ならではの、ゴージャスなエピソードが多い。レコード会社がアゴアシ代をもつゼイタクな海外取材とか……。いま読むと何やら「夢のあと」という趣だ。

    『ロッキング・オン』関係者の回顧録としては、創刊4人衆の一人・橘川幸夫が書いた『ロッキング・オンの時代』のほうが面白かった。

  • 『ロッキング・オン』には全く思い入れ無いどころかその逆…といっていい自分だけれど、ものすごく面白く読みました!

    彼と彼が率いた90年代の『ロッキング・オン』がなかったら例えばストーン・ローゼズの、例えばニルヴァーナの、例えばオアシスの日本での受け入れられ方は変わってきただろうし、間接的にそれは日本のクラブシーンやヒップホップ・シーンにも影響はあっただろう。

    まぁ、話半分で聴かなくてはいけないようなキャラクターの人ではあるとは思うけれども。

    渋谷陽一が築いた『ロッキング・オン』を引き継いで乗り越えていくには、否が応でも先代を批判せねばならず、それが商業主義ということになったのかもしれないという部分は興味深い。

  • 懐かしい。タナソウや渋谷陽一との喧嘩の内幕がないのは残念だった。

  • ロッキング・オンには「現役感」があった。まだ知らぬロックを学べるワクワク感と共に、不完全ながらも新しい音を生み出し続けるロックに10代の頃は圧倒的な「現役感」を感じていた。ストーンローゼズの台頭と共にURCと出会い購読を辞めたのは運命なのかも。おかげで弾き語りとしては現役を継続しているがしばらくロックとは離れた。そんなおいらを本著が再びロックに引き戻してくれた。「オッサン、トシ食い過ぎなんだって」と中村とうよう見たく言われたくわないのだ。あの頃の現役感を思い出させてくれた本著に感謝!

  • 増井時代は知らない。
    のだが、ゴタゴタがあったこととか、4代目の『激刊!山崎』を先に読んでたこともあって興味はあった。ロキノンの人たちは山崎さんにしろテンション高いんだなぁというのが最初に感じた印象。文書のテイストが似てる。リクルートとか広告代理店系の人種って感じ。増井さんがロキノンを同人誌から脱皮させて会社組織として成長させた功労者だったのか。
    THE STONE ROSESとかBECKは聴かずにいまに至るのでこれを機に聴いてみるか。

  • 2016/12/22購入
    2017/3/12読了

  •  増井修さんの荒々しい語り口がロックを感じさせて気持ちがいい。音楽の聞き方や感じ方が独特で、みんなそれぞれきっと違うのだろうけど、それをきちんと言葉で伝えてくれているのがすごくよかった。ストーンローゼスのライブで歌が下手で、そこがよかったというようなエピソードがよかった。そう思うとオレの聞き方はなんだか底が浅くて恥ずかしくなる。歌詞はほとんど聞き流すだけで、頭に入って来ない。

     しかし、そこは実際にミュージシャンに会って話している部分が大きいだろう。人柄に触れるともっと身近に感じられる。大多数の人は本人に会うことはなくただ聞くだけだ。

     音楽雑誌はずっと『ミュージックマガジン』を読んでいて、『ロッキングオン』は何か感情的な感じがしていた。プロレス雑誌も『週間プロレス』は立ち読みで『ゴング』を買っていた。しかしある時、増井さんが江川達也さんにインタビューしている記事を読んで、江川さんがジャンプの連載でずっと実験を続けていてその結果一人称の漫画が受けがいいと話していた。それを参考に一人称で漫画を描いたらちばてつや賞を受賞してデビューできたので、増井さんと江川さんには今も感謝している。

  • 積ん読を経て今日読了。読み始めるとあっという間だった。私がrockin' onを毎月購入して読んでいた時期に編集長だった増井さんの本だから面白くないはずがない。当時の時代背景やミュージックシーンがまざまざと脳内によみがえり、そしてどうしてrockin' onがThe Stone Rosesをあんなに推していたのかがよくわかった(正直私はあまりローゼズに興味がなかっただけに)。もちろん当時は知るよしもなかったことも。いろんな意味で懐かしく、いろんな意味で新しく、そしてあの時の私が何を考えていたのか、何をしたかったのか、何が好きだったのか、本を読みながらずっと考えていた。考えていたが、結局一つの答えとなって現れた。

    「いや~、音楽って、本当に素晴らしいものですね!」

    この本はそういうとってもシンプルなことに気づかせてくれた。

  • ロッキンが、(今で言うオタク)同人誌から業界no1商業誌に成長?する頃の、中の人の(個人的な)話。

    語り口調のテキストが親しみやすく、如何にもロッキンっぽい。

  • 90年代、音楽はアツかったんだよ。

  • 20160522-13

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