国産RPGクロニクル ゲームはどう物語を描いてきたのか?

著者 :
  • イースト・プレス
3.91
  • (10)
  • (13)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 167
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781622149

作品紹介・あらすじ

日本でRPGはなぜ人気をえたか。物語はゲームでどう表現されるようになったのか。
国民的RPG、ドラクエとFFの功績をあらためて徹底検証!
「国民的ゲーム」として、日本のカルチャーに大きな影響を与えているドラゴンクエストとファイナルファンタジー。日本ではRPGがなぜこれほど人気なのか。ゲームで物語はどう表現されるようになったのか。TBSラジオ『アフター6ジャンクション』でもおなじみ、元スクウェア・エニックスのプロデューサーで、新進気鋭のゲームデザイナーである著者が、ゲームシステム・物語・制作体制に注目し、ドラクエとFFの功績をあらためて検証する。
※ 鳥嶋和彦さんのインタビューも収録‼
※ TBSラジオ「アフター6ジャンクション」人気特集シリーズ「国産RPGクロニクル」書籍化!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ●ライトノベルは、読書と書き手の距離が非常に近く、読者の嗜好や願望がダイレクトに次のヒット作につながるので、オタクカルチャーにおけるトレンド傾向をいち早く反映しやすいメディアです。異世界ファンタジーが百花繚乱。実は、ヨーロッパのフィクションを直接参照したものではなく、アメリカに渡ってアレンジされ、RPGと言う形態を得て、日本に渡り、さらに、それを日本独自にアレンジした「和製西洋ファンタジー」登場人物は、王様、勇者、魔王、姫。
    ●エニックスは、そもそもゲーム会社ではありません。元は公営住宅の情報誌を発行する事業のために作った「株式会社営団社募集サービスセンター」が母体。企画会社。80年代、これから流行っていきそうなパソコンゲーム市場に参入しようと考え、自作ゲームのコンテストを開催。そこに「ラブマッチテニス」の堀井雄二と「ドアドア」の中村光一。まだ高校3年生。
    ●ポートピア連続殺人事件。パソコン用ソフトとして堀井さんが制作済みだったものを、中村さんがファミコンに移植。
    ●森田将棋のアンケート葉書にすぎやまこういちが。その縁からドラクエの音楽を依頼することになる。
    ●ジャンプでライターとして関わっていた堀井さんとのつながりから鳥島編集者が企画を進めようと持ちかけ、発売前からジャンプ誌上でレポートされ、キャラクターデザインを鳥山明さんが担当することになった。
    ●「電友社スクエア」と言う名前で、電気工事会社だった電友社のソフトウェア部門として1983年に設立。横浜にパソコンサロンを作り、集まった若者たちをヘッドハントとして雇用していく方法をとっていた。
    ●同じアルファベットを2つ重ねる愛称がかっこいいのでは? エフエフと言わせたい。そこからファイナルファンタジーが採用。ドラクエがシリーズを重ねながら徐々に追加していったゲームの構成要素を、一作目からいきなり「全部のせ」した。
    ●アーケードゲームは投入される硬貨の蓄積ですから、3分間位を目安に、意図的にプレイヤーを殺すのが一般的なゲームバランスでした。ところがロールプレイングゲームは技術に関係なく最後まで遊べる。
    ●「人形劇の山」と言う言葉は、人間に見せたロボットやCGが、「人形劇位の拙さ」作り物らしさが残った技術で表現されていると、見る側には、むしろ温かみや愛嬌、そしてイノセントさを感じさせることを指摘しています。
    対義語「不気味の谷」ロボットやCGで人間らしさを人工的に再現しようとした時、人間に中途半端に近いことで、見る者にかえって、違和感、不気味さ、嫌悪感を抱かせてしまう。

  • 『感想』
    〇今20代~40代の人は、誰もが遊んだことがあるだろうドラクエ・FFシリーズについて述べられている。

    〇それぞれのゲーム内容がわからないと理解しずらい本ではある。私はどちらのシリーズも途中でやらなくなっているので、本もその辺りは飛ばしてしまった。

    〇ゲームをやらないと友だちとの会話についていけない感覚、今の子どもたちにはないだろうな。とは言っても高いものだから、親にねだって買ってもらう、もしくは友達に貸してもらっていた。

    〇今と違って遊びに関する話題の選択肢が多くなかったから、テレビにしても漫画にしても音楽にしても、多くの仲間が共通して知っているものがあった。だからみんなが仲良くできていた一面もある。

    〇本の話題と違うところを思い出せたところがよかった。

  • RPGの定義が白眉です。

    様々なプレイスタイルに対応し、誰でもちょうどいい難易度になるよう自動調整の仕組みが備わったゲーム

    自分がプレイしたことを恥ずかしさ半分で、思い出しながら読み進めることができました。

  • 図書館で借りた。
    ゲームかあまりしなくなった。

  • 20231215

  • ドンピシャ世代なので自分がプレイしていた時の子を思い出しながら興味深く読み進めることができた。ドラクエとFFの違いをここまで明確に文章化してくれているのも面白い

  • 有名な2作品のJRPGとしての歴史を時系列に振り返るの面白かった。自身でプレーした作品を懐かしく思うのは勿論、未プレーのもの、噂で聞いた程度に知ってるものも含め、ざっと一人の視点で確認できて手軽く楽しめた。ネタバレは「含む」と明記されている通りで、詳しくは書かれないもののFF5,10,15やDQ11とかは核心に触れていると思う。先に作品名が出てくるので避けて読むことも可能かと。FF15までの期間なので、16も読みたい。DLC出てほしい(笑)

  • ・自分はゲームをしない。嫌いな訳ではない。昔は良くやっていたし、今でも無性にやりたくなり桃鉄をやったりもする。(一人で100年とか)
    ・でも他にも音楽や映画や本や…使いたい時間が山程あり、中でも圧倒的に時間が溶けると感じていたゲームを自分中で「落とした」
    ・今でも話題のゲームは気になるし、話を聞いているだけでも面白い。来世はゲームに注力した人生を送ろうと、せめて決めている。
    ・当然この本も面白かった。薄っすら感じていた事を明解に言語かされているし、鳥嶋編集長との対談も興味深かった。
    ・ただドラクエ、FFとそんなに思い入れは自分には無いので、(興味がない訳ではないです)ブチ上がる、といった感じは無かったです。でも意味はあると思いました。

  • ドラクエとファイナルファンタジーのナンバー作品それぞれの作った背景、狙いやテーマに軸をここまで丁寧に文章にする言語化力に圧倒されながらあっという間に読みきった。

  • 【本を読んでるのになぜかゲームをやりたくなる】
    ドラクエ・FF好きの中年にはたまらない、歩みを描いた本。
    友人から「好きそうな本出てますよ」と言われて読んでみた。結果…ほんと、別に何か本から得るものを求めて読むのではなく純粋に読書をさせてくれた(褒めてる)
    本筋部分はまぁ、詳しい人、中の人から見たスクエニ史。途中途中、著者の熱量高めのストーリー解説が「ほんと好きなんだなぁ」と思わせてくれてほっこりするwでも、それだけ。
    一番の読み応えは最後の鳥嶋さんのロングインタビュー。
    ものづくりの哲学みたいのがすごい詰まってる。
    ラスト1行の「いやこれ、すごいね俺」から始まるセリフがまさに!で痺れた。かっこいい。

    余談
    純粋に本を楽しく、ただ素直に文字を追う(自分の思い出に乗せて)ことのできた幸せ時間でした。早くドラクエ新作出ないかなー(私はドラクエ派)

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

渡辺範明(わたなべ・のりあき):スクウェア・エニックスのゲームプロデューサーを経て、現在、ドロッセルマイヤー商會代表取締役。創作ボードゲームと雑貨をあつかうネットショップ「ドロッセルマイヤーズ」を経営するかたわら,アナログゲームを中心にさまざまなタイトルを手がけるゲームデザイナー&プロデューサー。

「2023年 『国産RPGクロニクル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡辺範明の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×