新版 縄文聖地巡礼

  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781622743

作品紹介・あらすじ

ぼくたちは、未来に向かって縄文の古層へ旅をする以前から縄文文化に深い関心を寄せてきた音楽家の坂本龍一氏と、人類学者の中沢新一氏が、縄文の古層に眠る、わたしたちの精神の源泉に触れるため、聖地を巡り、語り合います。諏訪、若狭、敦賀、奈良、紀伊田辺、鹿児島、そして青森へ―――社会的な状況が大きく変化している現在、これからのヴィジョンを見つけるために、ふたりが人間の心の始まり「縄文」へと潜っていきます。縄文とは何か 中沢新一プロローグ 三内丸山遺跡からはじまった、ふたりの旅第一章 諏訪第二章 若狭・敦賀第三章 奈良・紀伊田辺第四章 山口・鹿児島第五章 青森エピローグ さらなる旅に向けて旅のしおり

感想・レビュー・書評

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  • 『縄文聖地巡礼』|感想・レビュー - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/588620

    縄文聖地巡礼 - 木楽舎
    http://www.kirakusha.com/book/b213416.html

    イースト・プレス
    https://www.eastpress.co.jp/

    新版 縄文聖地巡礼 坂本龍一(著・文・その他) - イースト・プレス | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784781622743

  • 坂本龍一強化月間でこちらを。
    面白かったし、ちょくちょく入る坂本龍一の写真が格好良いし、取り上げられている場所に旅行で行ってみたいなあという気持ちがわいています。

    中沢「…死の問題をいろんなかたちで世界のなかに取り入れていくことが戦略上、重要なんですよね。生きている人間の世界は、「ある」か「ない」かっていうバイナリ思考に陥りがち。でも「ある」でも「ない」でもない、もっと根源的な「生命力に満ちた死」があるわけで、それを組み込むと3の世界になっていく。世界はバイナリではなくトリニティの構造に変わっていく…」(p.51)

    中沢「神話の想像力と、資本主義や科学技術へと分かれていく原点は。エコロジストからは科学が悪い、資本主義は悪いって考えが出てきがちなんだけど、じつは同じところから出てきている。核もそこから生まれる。核とは何か」…
    坂本「エロスの落とし子なんだね」…
    中沢「(岡本太郎の太陽の塔について)核と、人間の祝祭空間が根源では同じだということを、よくわかっていた。…曼荼羅と同じ表現で、大墓地なんです。世界の根源は、墓地。意味も吹き飛ぶ、分子も吹き飛ぶ、その上に湧き上がってくる歓喜というものを描こうとしている」(p.59-61)
    この一連の核が生のエネルギーの側面も持っているというところ、そういう風にとらえたことがなかったので面白かった。

    中沢「音楽と神話というのはもともととても近いものなんですね。図像表現がそっけないときには、神話と音楽が発達する。」(p.84)
    なるほど笑

    収録場所は以下
    第一章 諏訪
    第二章 若狭・敦賀
    第三章 奈良・紀伊田辺
    第四章 山口・鹿児島
    第五章 青森

  • 非常に刺激を受けた。今の世界を占めている考え方は弥生以降であって、縄文はそうではなかったという考察が面白い。実際にその地を巡って考えるというのは大事だよね。
    経済価値、数字や科学偏重の世界に限界を感じているけど、やめられないと思っている人も多いし自分もそうだけど、今後の行動次第では100年後ぐらいには可能性があるんじゃないかな?そのためにも色んな可能性を探っていく必要があるのは本書のとおりだと思う。

  • 資本主義の限界を感じる中でも、どうしよもなさというか、仕方なしという観念。動こうに動けない、その中に取り込まれるしかない。今とは違った世界線が有り得たかもしれない可能性を各地の遺跡や遺物から探っていくという旅の試みが面白い。お金持ちのおじさん達の道楽だなーと思えてしまう瞬間もあったり、なんとなく、安心して読めない頁もあった。学者の言葉なので横文字が多用されていて文章が読みにくかった。

  • 著者、中沢新一が、音楽家、坂本龍一と縄文にかかわりのある土地への巡礼を行った際の対談。一読では理解しきれない面もあったが、アースダイバーと併せて読むとよいと思う。

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著者プロフィール

さかもと・りゅういち:1952年東京生まれ。3歳からピアノを、10歳から作曲を学ぶ。東京藝術大学大学院修士課程修了。78年にソロ・アルバム『千のナイフ』でデビュー。同年、細野晴臣、髙橋幸宏とともにYMOを結成し、シンセサイザーを駆使したポップ・ミュージックの世界を切り開いた。83年の散開後は、ソロ・ミュージシャンとして最新オリジナル・アルバムの『async』(2017)まで無数の作品を発表。自ら出演した大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』(83)をはじめ、ベルトルッチ監督の『ラスト・エンペラー』(87)、『シェルタリング・スカイ』(90)、イニャリトゥ監督の『レヴェナント』(2015)など30本以上を手掛けた映画音楽は、アカデミー賞を受賞するなど高く評価されている。地球の環境と反核・平和活動にも深くコミットし、「more trees」や「Stop Rokkasyo」「No Nukes」などのプロジェクトを立ち上げた。「東北ユースオーケストラ」など音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動もおこなっている。2006年に「音楽の共有地」を目指す音楽レーベル「commmons」を設立、08年にスコラ・シリーズをスタートさせている。2014年7月、中咽頭癌の罹患を発表したが翌年に復帰。以後は精力的な活動を続けた。2021年1月に直腸癌の罹患を発表し闘病中。自伝『音楽は自由にする』(新潮社、2009)など著書も多い。

「2021年 『vol.18 ピアノへの旅(コモンズ: スコラ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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