演習量子力学 (セミナーライブラリ物理学 4)

著者 : 岡崎誠 藤原毅夫

• サイエンス社 (2002年3月10日発売)

作品紹介・あらすじ

量子力学は、いまや理工系の多くの学科に共通して必要な科目となっている。本書は著者の講義と演習の経験にもとづいて、量子力学を初めて勉強する人たちの自習用に書かれた。

感想・レビュー・書評

[BRICOLAGEさんの感想 · 2022年3月4日]

　人の話を聴いたり教科書を読んだりして理解した気になっていても、いざ問題を解けと言われると途端に困ってしまうみたいなことは、量子力学に限らず理系の分野では多いんじゃないかと思う。結局、学んだことが身についているかどうかは、それを道具として具体的な問題が解けるかを見ることで初めて測られるという訳だ。
　本書で取り上げられている問題は、何か標準的な教科書を既に読んでいたらどこかで見たことあるような典型的かつ重要な問題がほとんど。内容的に特別難しいことをやっているわけではないが、計算量はどれも結構多い(特に3章)。摂動論や角運動量にそれぞれ一章が割かれているのは妥当と思うが、散乱理論と電磁場の量子化にも一章ずつ当てられているのはちょっと意外。
　今回は5章まで。一日8〜10問ぐらいのペースで解いて、3週間弱ぐらいかかった。時間に依存した摂動論の理解が甘いので、勉強し直さなねば。

1 量子力学の基礎(例題10、演習問題16)
2 シュレディンガー方程式の解(例題12、演習問題24)
3 近似解法(摂動論と変分法)(例題9、演習問題23)
4 角運動量とスピン(例題12、演習問題28)
5 原子(例題6、演習問題22)
6 散乱問題(例題9、演習問題20)
7 輻射の理論(例題8、演習問題22)
補遺
問題解答
索引

[豆腐小僧さんの感想 · 2015年4月15日]

大学時代にお世話になった。手頃なサイズ。

[takahirojijiさんの感想 · 2011年6月12日]

量子力学の問題集です。院試でお世話になりました。

[rrn1さんの感想 · 2009年2月23日]

重要な問題は大体扱われている。一通り解けば大筋が理解できる。

[アオネさんの感想 · 2008年10月25日]

量子力学は教科書を読んで理解したと思っていても問題となると意外に手が動かないもの。自分で計算できなければならない最低限のレベルの問題が載っている…と思います。割とむずかしめ？というか解答が不親切です。手元にある他の教科書を見た方が考え方はスマートだったりするかもしれません。

[すのぶさんの感想 · 2006年8月1日]

学部の定期試験対策や院試勉強の第一歩に手ごろな分量と難易度です。典型的な頻出問題は網羅されています。

著者プロフィール

筑波大学名誉教授、理学博士。1934年 中国旅順市に生まれる。東京大学理学部卒業、東京大学大学院博士課程修了。東京大学助手・講師・助教授、筑波大学教授などを歴任。主な著書に『固体物理学』『電磁気学入門』（以上 裳華房）、『物質の量子力学』（岩波書店）、『演習 量子力学[新訂版]』（共著）『量子力学［新訂版］』（以上、サイエンス社）、『べんりな変分原理』（共立出版）などがある。

「2006年 『工科系のための　現代物理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」