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- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784783709343
感想・レビュー・書評
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高橋順子さんの詩集ですね。
現代詩文庫シリーズの詩集です。
「永遠の詩」シリーズの解説でお馴染みになりましたので、どんな詩を書かれるのか興味がわきました。
「永遠の詩」シリーズはとても読みやすく、高橋順子さんの解説にかなり助けられましたが、この「現代詩文庫」シリーズは解説がなくて、かなりの作品が網羅されていました。
私には、まだまだこれ程の作品を消化しきれるものではありませんが、幸いにして、高橋順子さんの詩は親しみやすく受け入れやすい身近な感覚の詩集でした。
この詩集には、詩篇の他に童話と詩論・エッセイも寄せられています。
2001年四月の発行です。高橋順子さんの作品の軌跡と四人の解説者の高橋順子さんへの詩人論・作品論も紹介されています。
まさに盛りだくさんの詩集ですね。
ひとつだけ
砂
砂ひと粒の切り口が
鏡のように光っている夢を見た
夢を追いはらうために首をふった
首をふる音が聞こえた
すると足もとから砂が逃げ出した
「くずれる」
と叫ぶと
鏡が乱反射して
わたしも光る砂になっている
もうかたちにとらわれない
いくらでも手足が伸ばせるのだ
砂としての生涯を考えているうちに
日が暮れている
高橋順子さんの詩は短い作品が多く、共感のわく詩篇なので読んでいて楽しくなります。ご主人とのやり取りの詩篇が、また良いですね。
興味深い詩人をまた一人見つけました。
少しずつ読んでいきたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示