- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784783716723
作品紹介・あらすじ
沈黙をわたりつづけ、なおも底しれない深さを堪えて流れやまない谷川俊太郎。その半世紀を超える詩業を劈き、「内なる父」としての詩人を解析、分断の彼方に蘇らせる。
感想・レビュー・書評
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詩は言葉を越えることはできない。
言葉を越えることができるのは人間だけ。
言葉と沈黙
言語と身体
宇宙と社会
言葉、秩序、覚醒、理性
沈黙、混沌、眠り、情念
谷川徹三ー宮沢賢治ー谷川俊太郎
<空><地><ひと><人々>
うたうために黙っていたい。黙っていると書かねばならない。詩がこうして、一時的な激情や青くさい告白癖から解放されてこそ、詩をつくる感動というものが、その真の力を示すのである。
人々を生かそうとすることで、自らは生活し続けるという奇妙な途なのである。
「生かす」のルフランから「社会性」のひとつの実現
プレヴェールの匿名的な大衆性から完全な虚構
ヴィトゲンシュタイン「語ることのできないものごとについては、ひとは沈黙しなくてはならない」(『論考』)
谷川俊太郎「どんなに小さなものについても語り尽くすことはできない。沈黙の中身はすべて言葉」(『anoym4』)
ゆるやかな視線=portrait=言語=意識=視察=「私」
「顔の上に重ねられる顔」=「視線」=「言語」
「彼の方法っていうのは宇宙と彼との間で起こる出来事の記録だから、想像力の世界も全部含んだ上での純然たる記録集といったもののように思えたんです」(大岡信)
読み終えたとき、谷川俊太郎の紡ぎ出す詩の言葉がより深く理解できるような気がする。
肉の通路から心の深み
完成に近づき、しかも決して完成しない。
「輝く無人の台所」(台所は詩人の目の前に広がる詩の処女地)
「ひげ」意識が刈り取っても後から後から溢れ出してくる混沌の喩詳細をみるコメント0件をすべて表示