自己発見のピルグリム (新島襄を語る 別巻(五))

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  • 思文閣出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784784218745

作品紹介・あらすじ

新島襄こそ著者を「自己発見のピルグリム(巡礼)に連れ出してくれる存在(メンター)とし、
新島襄その人を語る一方で、著者自身の「自分探し」の遍歴や、私的世界の扉を開けることにトライした一書。

感想・レビュー・書評

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  • 本井康博氏による『新島襄を語る』シリーズ全10巻、新島八重を中心に取り扱った「別巻」4巻が既に発刊されている。本井氏によると、以上で一旦打ち止めとしたものの、「話し言葉で著作(講演集)を作る魅力には、捨てがたいもの」があるという。それは、新島襄ゆかりの地で講演をすると嬉しい質問攻めにあい、ピルグリム(巡礼者)である自分は、自己発見が絶えないからだそうだ。そして、自分自身の「自分探し」の遍歴や私的世界の扉を開けたりすることにトライしたのが、本書だという(著者は75歳!)。

    本シリーズは、基本的に講演集であるだけに非常に平易な語り口で読みやすい。そのうえ、関連知識にも触れながら読者(聴講者)の関心を引きつけつつ内容が展開している点、そして、この書をきっかけに、さらに知識を深めたい、研究したいと思った場合に役立つように、細かく出典が明記されている点もこのシリーズの特徴である。

    目次を見たときは若干、「新島マニア」的な内容も含まれているように思えた。例えば「越後伝道にかける夢」「奈良伝道は大和郡山から」などがそれである。それでも、成瀬仁蔵と係わりが深く、キリスト教関係者、同志社関係者のほか、梅花学園、日本女子大学関係者も関心がある内容ではないだろうか。NHK朝ドラ「あさが来た」との関連もあって、ドラマの内容を掘り下げることもできる。

    同志社創設の「教育者」として、アメリカンボードの「宣教師」として、そしてひとりの人間として新島を知り、あるいは彼のゆかりの地を巡ってそぞろ歩きしたりしてみると、結構「自分発見」の手がかりが見つかるピルグリム(巡礼)になる。そんなメッセージを感じるのが本書である。

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著者プロフィール

同志社大学神学部元教授(1942年生)。神学博士。
専攻は日本プロテスタント史、とくに新島襄ならびに同志社史。『新島襄と徳富蘇峰』(晃洋書房,2002年),『新島襄の交遊』(思文閣出版,2005年),『新島襄と建学精神』(同志社大学出版部,2005年),同志社編『新島襄の手紙』(共編,岩波文庫,2005年)などを出版したほか、「新島襄を語るシリーズ」を刊行中。

「2016年 『自己発見のピルグリム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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