京都SFアンソロジー:ここに浮かぶ景色 (Kaguya Books)
- Kaguya Books (2023年8月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784784541492
作品紹介・あらすじ
京都にゆかりのある8名の作家が綴る、京都SFアンソロジー。1200年の都? いえいえ、わたしたちの棲む町。アート、池、記憶、軒先駐車、松ぼっくり、物語――。妖怪もお寺も出てこない、観光地の向こう側をお届けします。大阪/京都を拠点にするKaguya Booksより、待望の地域SFアンソロジー第1弾刊行!収録作品千葉集「京都は存在しない」暴力と破滅の運び手「クラーク・ワークス」鈴木無音「聖地と呼ばれる町で」野咲タラ「おしゃべりな池」溝渕久美子「第二回京都西陣エクストリーム軒先駐車大会」麦原遼「立看の儀」藤田雅矢「シダーローズの時間」織戸久貴「春と灰」
感想・レビュー・書評
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千葉集:京都は存在しない、ピアニスト:暴力と破滅の運び手、鈴木無音:聖地と呼ばれる町で、野咲タラ:おしゃべりな池、溝渕久美子:第二回京都西陣エクストリーム軒先駐車大会、麦原遼:立看の儀、藤田雅矢:シダーローズの時間、織戸久貴:春と灰、の8つの地域SFアンソロジー。シリーズ1作目。固有名詞で京都のものが出て来るが、京都を意識できる話は少ない。別の場所であっても成立する。野咲さんのおしゃべりな池が京都世界なだけかも。というところで観念的な世界の観念的なストーリーが展開される話であまり楽しめませんでした。
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京都を知る8人によるアンソロジー。WEBメディア、KAGUYA Planetに参加している作家の中から募ったようだ。日本SF作家クラブの会員から、ここ数年で新人賞などを受賞した若手まで。
京都の第一の特徴といえばやはり"歴史"だろうか。そのイメージがSF的に転換すると、"歴史が失われた京都"になるのかもしれない。今あるものを保ったままSF要素を足すのではなく、"もしなかったら?"を軸にした世界。ほとんどの作品にそういった設定があり、興味深い。編者はあとがきで「(そういう伝え方はしていないのに)<記憶>とか<過去の蓄積>といった要素が共通している」と書いている。
正直なところ意味や展開、結末に「?」となる作品もあり、私には玉石混淆かなと感じられたけれども、おもしろかったのは
「おしゃべりな池」(野咲タラ)、「第二回京都西陣エクストリーム軒先駐車大会」(溝渕久美子)、「シダーローズの時間」(藤田雅矢)。
どれも、愛しいという気持ちが根底にあるようで、美しい作品だと思う。 -
まあ、ようこんな訳の分からん話ばかり集めたわ、と感心・・・