赤い罠 ディオバン臨床研究不正事件

著者 :
  • 日本医事新報社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784784944477

作品紹介・あらすじ

ついに司法の手に委ねられた前代未聞の研究不正事件-論文発表当初から疑義を抱き、問題点を指摘し続けてきた医師が真実を闇に葬り去ろうとするあらゆる勢力に抗して、事件の真相に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 読まなくちゃって思ってた本をやっと読んだ。

    ちょっと数字が違うだけで、何千億という利益を生み出して、かつ、名声も得られる。そりゃ悪魔も囁くわな。

    人間は弱いから、悪魔に囁かれてもどうにもならないシステムや基盤作りが必要なんだと痛感した。
    そう思うと倫理の勉強って本当、大事。

  • えびでんすべーすどめでぃすんが提唱されたものの、エビデンスに値しないものをエビデンスと呼ぶように見せかけられたら、多くの医療側はそれをエビデンスだと信じるしかなく、製薬会社は大儲けだった。なんとか不正を告発し、責任追及に追い込んだ、という話。
    「有意差が〜」という話をされたら、科学的な根拠があるように感じてしまう。実際には、アウトカムの定義をいじったり、データそのものを改ざんしたりして、良い結果が得られるようにやりたい放題だった模様。
    おかしい事に「おかしい」と言えること、言い続けることは困難だ。筆者の怒りが文体から感じられる。非難したい相手の経歴まで丁寧に調べたうえで叩いているので、相当コテンパにやっつけたいのね。
    企業が新薬を開発してもその利益を独占できるのは約10年で、特許が切れてジェネリック薬が販売されれば売上は落ちる。開発に莫大な費用をかけたのに利益を継続できず、後発薬を販売する企業の方が美味しい部分をかっさらっていく。だから、企業の戦略としては新薬の宣伝を大々的にして、短期間で利益が出るようにすることが王道となる。
    利益相反を勉強するにはとても良い教材かと。

    映画化とかされませんかね?
    それこそ配給会社やスポンサーと利益相反があるから無理か。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:493.25||K
    資料ID:51600748

    近年の日本における研究不正事件について書かれたものです。
    (統合領域 推薦)

  • 製薬企業に勤める者として、一読すべき本であると思います。

  • 企業、医師、大学病院のそれぞれの生々しい本音がわかる興味深い内容だった

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著者プロフィール

1971年 岩手医科大学医学部卒業
1973年 東京都養育院附属病院(現 東京都健康長寿医療センター) 循環器科勤務
1980~82年 米国ニューオリンズ オクスナー研究所留学(Dr.Frohlichに師事)
1997年 東京都老人医療センター(現 東京都健康長寿医療センター) 循環器科部長.
2003年 東京医科大学 兼任教授
2005年 東京都老人医療センター(現 東京都健康長寿医療センター) 副院長
2009年 東京都健康長寿医療センター 副院長
     NPO法人臨床研究適正評価教育機構 理事長就任
2012年 東京都健康長寿医療センター 顧問

「2021年 『高血圧 変わる常識・変わらぬ非常識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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