保田與重郎を知る

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  • 新学社
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784786801860

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  • 保田與重郎が何を発見し、何を世に示し、何を後世に遺そうとしたか、が明晰に語られている。
    前田に言わせると、保田は日本人の暮らしの大もとには、神からの事依さし(ことよさし)がある。
    天照大御神からわが皇孫(すめみま)は、稲穂を人に伝えるべく降臨された。自然の循環とともに稲作りを行ない、実りを神に感謝しつつこれを神と分かち合う。そこには略奪も征服も必要ない。人が平和に暮らしていくための根本原理がある。

    思えば、ヨーロッパの王たち、貴族たちは、働かない。ギリシャ時代から、労働は卑しい者の役割であった。
    日本の天皇は年祈祭において、自ら田植えをなさる。
    皇后は機を織られる。
    働くことの尊さ、喜びを、自ら体現なさるのである。

    祭りの風景、美しい田園風景、そして保田の魂への思いを何人かの人々が語ったものを収録したDVD付き。

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著者プロフィール

1951年大阪生まれ。批評家。中央大学大学院文学研究科修了。立教大学現代心理学部教授などを歴任。主な著書に『剣の法』(筑摩書房)、『日本人の信仰心』(筑摩選書)、『独学の精神』(ちくま新書)、『批評の魂』(新潮社)、『小津安二郎の喜び』『民俗と民藝』(講談社選書メチエ)、『ベルクソン哲学の遺言』(岩波現代全書)、『信徒内村鑑三』(河出ブックス)、『沈黙するソシュール』(講談社学術文庫)、『倫理という力』(講談社現代新書)など多数。

「2018年 『愛読の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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