犯罪の世間学: なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか (青弓社ライブラリー 86)
- 青弓社 (2015年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787233943
作品紹介・あらすじ
日本独特の秩序で法のルール以前に私たちを縛る「世間」が、その排他性を強めて犯罪を生み出している。1990年代以降の犯罪の厳罰化、2000年代以降の殺害事件や脅迫事件を「世間」の視点から読み解き、息苦しさや閉塞感が増す日本の「空気」に迫る時代診断の書。
感想・レビュー・書評
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何か事件や不祥事が起こるたびに、関係のない家族のもとに押しかけるメディアや、会見を開いて姿の見えない「世間」に謝罪する人たちに並々ならぬ違和感を抱いていた。また、この国には個人も社会もないという本書のメッセージの一つは、私が海外で痛感したことの一つでもある。
最近考えていたことが言語化されていて良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/784215 -
社会
犯罪 -
世間の目が悪い、ということですか。分かるような気もするし、そんなの今に始まったことじゃないよねとも思う。
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世間という権力によって犯罪が抑止され,その反面で世間という秩序を乱す「抗空気罪」の存在が,耐えられなくなった人間の犯罪を誘発する。そんな日本社会の構造を形法学者が論じた本。
学問的には微妙な気もするけど,当たってる面はありそう。
でも途中いささか冷静さを欠いていて,厳しく天皇制を批判してみたり「九条俳句掲載拒否事件」について論難したりしているのは,説得力を減らしているような気がしてちょっと残念だった。