- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787233974
作品紹介・あらすじ
留学などで海外に渡る若者は多いが、行政や企業が強く求めるグローバル人材像と当事者たちとの意識のずれは大きい。インターネット調査とフィールドワークから「普通の若者」の海外経験の意味と実態を抽出し、キャリア形成の多様な過程の必要性を提起する。
感想・レビュー・書評
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皆さんは「グローバル人材」という言葉を聞いたとき、どのような人間像を思い浮かべますか?また、「グローバル市民」と「グローバル人材」について、どのような違いがあると考えますか?
本書では、海外での生活や就労を通じて「グローバル市民」になることと、企業が求める「グローバル人材」になることとは大きなズレがあることを指摘しています。「グローバル市民」とは、「意識して『主語としてのわれ』をもち、『個人』であることと他人と違うことを恐れず、『何か自分にできることはないか』と常に周囲にはたらきかける」(本文302頁)存在です。一方、「グローバル人材」とは、自国の経済発展のために、海外の市場を開拓していくことが期待される人材です。
現代の日本の教育の中でも盛んに主張されている「グローバル・コンピテンシー」とは、このどちらの人間に求められる能力でしょうか?皆さんは、「グローバル社会」で生きていく上で、どちらの人間になることを望みますか?
皆さんには、短期/長期留学やインターンシップ等で海外に渡航する機会が多く用意されています。だからこそ、真に「グローバル」な人間とはどのような人間か、一歩立ち止まって考えてみることが重要です。本書は、そんな皆さんにとって多くのヒントを与えてくれるものでしょう。(ラーニング・アドバイザー/教育 FURUHATA)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/3293009詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
グダグダ、この価格で出せるのには何かあるかも
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想像していた内容とぜんぜん違ったけれど、いい方向に裏切られた。
海外に出る人は一定数いるのに、なぜ相も変わらずグローバル人材の不足が言われるのか。その答えを探るため、海外に出ている人は、おもにどういう人なのかということが詳しい。
企業が求めているグローバル人材とはなにか、明確なのか。ここに割く分量は少ないが、これはこれで面白い。
企業が求める人材と、その候補になる人が海外に出るかどうかは、ゲーム理論で説明できそう。
企業は自分で自分の首を締めているというか、言いたいことだけ言って自分たちのやるべきことをやらないのだなあと感じた。
海外に出る人の背景、出てからの生活は想像以上に厳しい。聞いてみないとわからないことが多い。